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掻立
長い間窓に腰をかけていたので
湯冷もする、火鉢の火を
掻立てて裏の物干へ
炭団を取りに行くとプンプン
鳥鍋の
匂がしている。
「いや、お
前様お
手近ぢや、
其の
明を
掻立つて
貰ひたい、
暗いと
怪しからぬ
話ぢや、
此処等から一
番野面で
遣つけやう。」
凌ぎつゝ親子が涙の
乾く間もなく
僅かの
本資に
水菓子や一本菓子など
并べ
置小商ひの其の
隙にはそゝぎ
洗濯賃仕事氷る
油の
燈りを
掻立つゝ
漸々にして取續き女心の一ト
筋に
神佛を