投棄なげす)” の例文
私たちが今まで居た白樺の林から運び出されたものも在ったろうし、途中で死亡して直接にここに投棄なげすてられたものも在ったろう。
戦場 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ずっと上流に投棄なげすてられたのが、流れ流れて、水門を越して、滝壺にとまっていたのか、諸説まちまちであったが、大滝附近に人殺しなど行われた様子のない所を見ると
猟奇の果 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
さりとてこの大事だいじ生命いのちつなを、むさ/″\海中かいちう投棄なげすてるにはしのびず、なるべくていすみほう押遣おしやつて、またもや四五にちまへのあはれな有樣ありさま繰返くりかへして一夜いちやあかしたが、翌朝よくあさになると
看上みあぐるばかりの大熊手おほくまでかつぎて、れい革羽織かはばおり両国橋りやうごくばしの中央に差懸さしかゝ候処そろところ一葬儀いちさうぎ行列ぎやうれつ前方ぜんほうよりきたそろくるによしなくたちまちこれ河中かちう投棄なげすて、買直かいなほしだ/\と引返ひきかへそろ小生せうせい目撃致候もくげきいたしそろ
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)