手合てあひ)” の例文
これで見ると、女には正直者が多いが、男には仏様の前でもペテンをり兼ねない手合てあひが少くないといふ事になる。ぐわんを掛けて願が叶ふ。
これにや一座も、呆気あつけにとられた。——とられた筈さ。そこにゐた手合てあひにや、遊扇いうせんにしろ、蝶兵衛てふべゑにしろ、英語の英の字もわかりやしない。
南瓜 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
たとへば、緩漫なまのろふゆしりへにはなやかなはるめがるのをて、血氣壯けっきさかんわか手合てあひかんずるやうなたのしさ、愉快こゝろよさを、つぼみはな少女をとめらと立交たちまじらうて、今宵こよひ我家わがやりゃうせられませうず。
前に書くのを忘れたが、その時津藤には芸者が一人に幇間ほうかんが一人ついてゐた。この手合てあひは津藤にあやまらせて、それを黙つて見てゐるわけには行かない。
孤独地獄 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
最早もうてゝおしまやったか? さればわか手合てあひこひそのこゝろには宿やどらいでその眼中がんちゅう宿やどるとえた。
ロミオ (從者にむかひ)おれには炬火たいまつれ。かる陽氣やうき手合てあひは、舞踏靴をどりぐつかゝと澤山たんと無感覺むかんかく燈心草とうしんぐさこそぐったがよい。おれは、祖父ぢゝい訓言通をしへどほり、蝋燭持らうそくもちをして高見たかみ見物けんぶつ