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慥
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こしら
ふりがな文庫
“
慥
(
こしら
)” の例文
「
莫迦
(
ばか
)
なことをいっちゃいかん。
尤
(
もっと
)
も、パルプで
慥
(
こしら
)
えたあのやすい本なんかには出とりゃせんだろうが、わしは嘘をいっているのではない」
今昔ばなし抱合兵団:――金博士シリーズ・4――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
花笠を造つたり、小さな
山車
(
だし
)
を
慥
(
こしら
)
へたり、山車の屋根を飾る
挿花
(
さしばな
)
を考へたりして、キヤツキヤツと騒いで居るのでした。
女王
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
「節——お父さんに
慥
(
こしら
)
へて頂いた物を出してお目に掛けな——
諸方
(
はう/″\
)
から祝つて頂いた物もお目に掛けたら
可
(
よ
)
からう。」
出発
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
真紀 だからさ、一体どうする考え? そんなに次から次へお人形の着物ばかり
慥
(
こしら
)
えて、お人形屋でも出すつもり?
みごとな女
(新字新仮名)
/
森本薫
(著)
けれどもその人は模造の革で
慥
(
こしら
)
へて、その表面にヱナメルを塗り、指で
弾
(
はじ
)
くとぱか/\と味気ない音のする皮膚で以て急に
鎧
(
よろ
)
はれ出した気がするのです。
愛
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
▼ もっと見る
軈
(
やが
)
て二
階
(
かい
)
に
寐床
(
ねどこ
)
を
慥
(
こしら
)
へてくれた、
天井
(
てんじやう
)
は
低
(
ひく
)
いが、
梁
(
うつばり
)
は
丸太
(
まるた
)
で
二抱
(
ふたかゝへ
)
もあらう、
屋
(
や
)
の
棟
(
むね
)
から
斜
(
なゝめ
)
に
渡
(
わた
)
つて
座敷
(
ざしき
)
の
果
(
はて
)
の
廂
(
ひさし
)
の
処
(
ところ
)
では
天窓
(
あたま
)
に
支
(
つか
)
へさうになつて
居
(
ゐ
)
る、
巌丈
(
がんぢやう
)
な
屋造
(
やづくり
)
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「図面の写しを
慥
(
こしら
)
えたりしていたので、おそくなりました、将来のことも考えて、頭書のような文面にして置きました——ちょっと
挨拶
(
あいさつ
)
して行って貰いましょうか」
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
いざと云えば、火水の中へも飛込む肚を
慥
(
こしら
)
えるものだ。お前なぞ、その肚が、一番に出来とらんぞ
寛永武道鑑
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
○自分で
慥
(
こしら
)
えたものくらい気に入るものはない。洋服でも、お友達でも。
現代若き女性気質集
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
未納 (額を押えて)皺なんか
慥
(
こしら
)
えてみせたって駄目よ、お姉さん。
華々しき一族
(新字新仮名)
/
森本薫
(著)
「ちと、おかしいね。どこか、逃げ道が、
慥
(
こしら
)
えてあるのだろうか」
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
しかし、十五両がとこ、
慥
(
こしら
)
えて参りましたよ。
南国太平記
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
日覆いの葭簾を三分ほどめくって、覗く
隙間
(
すきま
)
を
慥
(
こしら
)
えて待っていると、列を作った三匹の雄魚は順々に海戦の
衝角突撃
(
しょうかくとつげき
)
のようにして、一匹の雌魚を、柳のひげ根の
束
(
たば
)
の中へ追い込もうとしている。
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
慥
漢検1級
部首:⼼
14画
“慥”を含む語句
慥乎
不慥
程慥
身慥