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忝
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かたじけの
ふりがな文庫
“
忝
(
かたじけの
)” の例文
国家の優遇とを
忝
(
かたじけの
)
うしながら、その最高の地位を利用して時に無責任なる干渉を政界に加うるの外、敢て自ら高処して民衆に接せず
憲政の本義を説いてその有終の美を済すの途を論ず
(新字新仮名)
/
吉野作造
(著)
「その御盃なれば、ぜひ、他にいただかせたい者がおりますが……その者に、お
遣
(
つか
)
わし給われば、一だんと、
忝
(
かたじけの
)
うござりますが」
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「はい、わかりました。私をお選びくださって、
忝
(
かたじけの
)
うございます。皇国のために、一命を賭けてこの仕事をやりとげます」
太平洋魔城
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「さて、その時の御深切、老人心魂に徹しまして、寝食ともに忘れませぬ。千万
忝
(
かたじけの
)
う存じまするぞ。」
白金之絵図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
敷島の三十一文字をもて栄爵を
忝
(
かたじけの
)
うした
高崎
(
たかさき
)
の
正風大人
(
まさかぜうし
)
のよりも何らの官位勲爵のない野の一文人紅葉の短冊の方が
遥
(
はるか
)
に珍重されてヨリ高価を以て市場に売買されておる。
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
▼ もっと見る
不憫
(
ふびん
)
がって下さいますのは
忝
(
かたじけの
)
うござりますがいかに不自由な体なればとて奉公人を
婿
(
むこ
)
に持とうとまでは思いませぬお
腹
(
なか
)
の子の父親に対しても済まぬことでござりますと顔色を
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「御厚意
忝
(
かたじけの
)
う存じます。
差構
(
さしかまい
)
ない事なら、さよう願いましょう」と、箕浦が答えた。
堺事件
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
お心づくしを
忝
(
かたじけの
)
うしていながらいまごろになり気づいた心のぬかりをおゆるしあるように、と、よく細かいことに気づく紀介が、ここまで心をくだいて深い用意をしていてくれたかと
玉章
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
「
忝
(
かたじけの
)
うござります。ではすぐ又平を呼んで参りますゆえしばらく……」
半化け又平
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
あの節は、お見のがしにあずかって
忝
(
かたじけの
)
うござった。お蔭に依って、以来越後に帰国、こうして御奉公しています
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ああ、
忝
(
かたじけの
)
うござります。何たる、神様か、仏様か、お
庇
(
かげ
)
で清く死なれまする。はいはい、
私
(
わたくし
)
風情にここと申す
住所
(
すみか
)
もござりませぬ。もう
御暇
(
おいとま
)
を下されまし。」と
揉手
(
もみで
)
をしつつ
後退
(
あとじさり
)
。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「愚老はたゞもう
忝
(
かたじけの
)
うて/\、………こんな嬉しいことは八十年来………」
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「その節はお言葉添えを
忝
(
かたじけの
)
ういたしました。お変りものう。」
荻吹く歌
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
「
忝
(
かたじけの
)
うございます、御免」
柿
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「
忝
(
かたじけの
)
うござるが、ただ今のご伝言さえ願えれば、それにて、
他
(
た
)
にべつだんの用もござらねば」
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お申し聞けを願います、と、そう云わせると、上意の趣、
忝
(
かたじけの
)
う存じます、
此方
(
こちら
)
から
罷
(
まか
)
り出て対面いたしとう存じますが、それでは却ってお気遣いもござりましょうから、これへお越しを願います
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「
忝
(
かたじけの
)
う存じまする」
嫁取り二代記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「
忝
(
かたじけの
)
うござる。」
姫たちばな
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
いやありがたいことでござる。お志だけはくれぐれも
忝
(
かたじけの
)
う存ずる。忝う存じ奉る
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「御領主さま。おこころのほどは身に沁みて
忝
(
かたじけの
)
うござりまするが、子をふたりまでも
戦
(
いくさ
)
のにわに死なせた母の身には恩賞のお沙汰など耳にははいりませぬ。……この母は、この母はただ……」
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「この度は、当家の乞いをいれて、諸国武者修行の
御途次
(
おんみちすがら
)
を、お立ち寄り下され、
忝
(
かたじけの
)
うぞんずる。主人嘉兵衛儀は、折ふし、公用中にござれば、後刻、改めてご挨拶申すとのことにござります」
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
忝
(
かたじけの
)
う存じます。——折もあらばまた」
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
客僧の御忠告のほども
忝
(
かたじけの
)
う存ずる
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「お情け、
忝
(
かたじけの
)
う存ずる」
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「はッ、
忝
(
かたじけの
)
う存じます」
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
忝
(
かたじけの
)
うはあるが……」
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
忝
(
かたじけの
)
うござる」
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
忝
漢検1級
部首:⼼
8画
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可忝
忝奉存候
忝次第
是又忝