御念ごねん)” の例文
「おっと、御念ごねんにはおよばねえ。おかみゆるしておくんなさりゃァ、棒鼻ぼうはなへ、笠森かさもりおせん御用駕籠ごようかごとでも、ふだててきてえくらいだ」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
その実余人の抄略したものを尾崎行雄自著と頗る御念ごねんった銘を打って、さも新らしい著述であるかのように再刊されたのは
御念ごねんには及びませぬ、閣下、是迄これまでの所、何を申すも我儘育わがまゝそだちの処女きむすめで御座りまする為めに、自然決心もなり兼ねましたる点も御座りましたが、旧冬
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
御念ごねんおよばぬ、じやうぬまそこく……霊泉れいせんゆあみさせて、きづもなく疲労つかれもなく苦悩くなうもなく、すこやかにしておかへまをす。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
御念ごねんの入ったごあいさつです。気が変になんかなりませんから、早く素顔すがおと素顔とをつきあわせましょう」
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「そんな御念ごねんには及ばないんだがなあ」
脱線息子 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
さても生駒家の用人ようにん留守居等は玄關脇げんくわんわきの座敷にひかへ居けるに暫時しばらく有て御徒目付青山三右衞門再び出立迎の乘物のりものしまりの儀御心得有べきやと云へば金子かねこ忠右衞門加川新右衞門の兩人御念ごねんの入たる御尋ねしまりの儀は錠前ぢやうまへに及ばざる旨御書付にまかせ錠は付申さず候へども警固けいご
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
小判こばんふねでもきゃしめえし、御念ごねんにゃおよもうさずだ」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)