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後肢
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あとあし
ふりがな文庫
“
後肢
(
あとあし
)” の例文
なれども仔馬はぐんぐん
連
(
つ
)
れて行かれまする。向うの
角
(
かど
)
を
曲
(
まが
)
ろうとして、仔馬は
急
(
いそ
)
いで
後肢
(
あとあし
)
を一方あげて、
腹
(
はら
)
の
蠅
(
はえ
)
を
叩
(
たた
)
きました。
雁の童子
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
はっとして眼をさますと、猿はなにごともなかったような顔で、
後肢
(
あとあし
)
で首のうしろのところを掻いたりしている。
蝶の絵
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
皿の底には、空想化された一匹の爬蟲類が
逆立
(
さかだち
)
していて、頭部と
前肢
(
まえあし
)
が台になり、刺の生えた胴体がくの字なりに彎曲して、
後肢
(
あとあし
)
と尾とで皿を支えている。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
ただ眼の大きな
一疋
(
いっぴき
)
の蠅だけは、薄暗い
厩
(
うまや
)
の
隅
(
すみ
)
の
蜘蛛
(
くも
)
の巣にひっかかると、
後肢
(
あとあし
)
で網を跳ねつつ
暫
(
しばら
)
くぶらぶらと揺れていた。と、豆のようにぼたりと落ちた。
蠅
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
いかにも跳躍力のありさうな長い
後肢
(
あとあし
)
が、土か空間かを目にもとまらぬ速さで蹴つてピンと一直線に張つたと見ると、もう流れのかなり先へ飛び込んでゐた。
赤蛙
(新字旧仮名)
/
島木健作
(著)
▼ もっと見る
黄色に黒く
斑紋
(
はんもん
)
美しい
猛虎
(
もうこ
)
と、まっ黒な大熊とが、双方
後肢
(
あとあし
)
で立ち上がって、お互いの肉に鋭い
爪
(
つめ
)
をうち込みながら、まっ赤な口、まっ白な
牙
(
きば
)
を
咬
(
か
)
み合わせ
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
びっくりして眼をあげると、それが、何と驚いたことに、虎だったという。虎が——しかも二匹で、
後肢
(
あとあし
)
で立上り、前肢の爪で、しきりにガリガリやっていたのだ。
虎狩
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
「その足跡は一つ一つ互い違いについているが、犬の足跡は、
前肢
(
まえあし
)
の跡を
後肢
(
あとあし
)
が必ず踏んでいるぜ」
銭形平次捕物控:061 雪の足跡
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
見ると、大きな鼠が一匹、
後肢
(
あとあし
)
で立って、物珍しげに鼻をうごめかしていました。
小公女
(新字新仮名)
/
フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット
(著)
悪い野牛は、
後肢
(
あとあし
)
で
土
(
どろ
)
を蹴りながら、大喜びで逃げてしまひました。
小熊秀雄全集-14:童話集
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
豊年や牛のごときは
後肢
(
あとあし
)
跳ね
今日:02 今日
(新字旧仮名)
/
西東三鬼
(著)
彼は人間の頭上から、
後肢
(
あとあし
)
を持ち上げて小便を引っかけるに
止
(
とど
)
まったのである! 鉄砲を持った人間などは彼にとってその程度のものにしか値しなかったのである。
黒猫
(新字新仮名)
/
島木健作
(著)
コン吉とポピノがかわるがわるモウ! モウ! と気合いをかけるとナポレオンは何思ったか
後肢
(
あとあし
)
でそこへ坐り込み、犬がするような見事なチンチンをして得意満面の体である。
ノンシャラン道中記:06 乱視の奈翁 ――アルル牛角力の巻――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
“後肢”の意味
《名詞》
足が四本ある動物の、頭から遠いほうの二本の足。うしろあし。しりあし。
昆虫の、頭から最も遠い二本の肢。
(出典:Wiktionary)
後
常用漢字
小2
部首:⼻
9画
肢
常用漢字
中学
部首:⾁
8画
“後”で始まる語句
後
後生
後退
後方
後悔
後姿
後家
後手
後日
後世