形勢ありさま)” の例文
「伏姫は此形勢ありさまを。つく/″\と見給ひて。此犬誠に得度とくどせり。うらめるものゝ後身さいらいなりとも。既に仏果を得たらんには。」云々しか/″\
雪頽なだれ形勢ありさまいかんとなれば、なだれんとする雪のこほり、その大なるは十間以上小なるも九尺五尺にあまる
着し座す其形勢ありさまいと嚴重げんぢうにして先本堂には紫縮緬むらさきちりめんしろく十六のきく染出そめいだせしまくを張り渡し表門には木綿地もめんぢに白とこんとの三すぢを染出したる幕をはり惣門そうもんの内には箱番所はこばんしよ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
見る者なかりしとこゝ浪人體らうにんていさむらひの身には粗服そふくまとひ二月の餘寒よかんはげしきに羊羹色やうかんいろの羽織を着て麻のはかま穿はきつかはづれし大小をたいせし者常樂院じやうらくゐんの表門へ進みいらんとせしが寺内の嚴重げんぢうなる形勢ありさま
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
少しあけけるにこはいかに徳太郎君には悠然いうぜんと上段にひかへ給ふ將監この形勢ありさま
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)