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弄
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もてあ
ふりがな文庫
“
弄
(
もてあ
)” の例文
それは
生来
(
うまれつき
)
の低脳者で、
七歳
(
ななつ
)
になる時に
燐寸
(
マツチ
)
を
弄
(
もてあ
)
そんで、自分の
家
(
うち
)
に火をつけて、ドン/\燃え出すのを手を打つて喜んでゐたといふ児ですが
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
人の頭上に落ちてくるという事実を
認
(
した
)
たむるのです、僕の身の上の
如
(
ごと
)
き、
全
(
まっ
)
たく
其
(
それ
)
なので、
殆
(
ほと
)
んど信ず
可
(
べ
)
からざる
怪
(
あや
)
しい運命が僕を
弄
(
もてあ
)
そんで
居
(
い
)
るのです。
運命論者
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
大川の
縁
(
ふち
)
にしゃがみ込んで、何の用事で来たかというように、墨江が口を切る迄、黙って小石を
弄
(
もてあ
)
そんでいる。
死んだ千鳥
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼女は本当に情に
逼
(
せま
)
って
刃物三昧
(
はものざんまい
)
をする気なのだろうか、または病気の発作に自己の意志を捧げべく余儀なくされた結果、無我夢中で切れものを
弄
(
もてあ
)
そぶのだろうか
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そうなって稚市という存在が、むしろ運命というよりかも、私という孤独の精神力から発した、一つの力強い現われだとすると、かえって、それを
弄
(
もてあ
)
んでやりたい衝動に駆られてゆきました。
白蟻
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
▼ もっと見る
「嗅覚に毒気が感じられる。誰か毒石を
弄
(
もてあ
)
そんでいるな」
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
これを見るに
就
(
つ
)
けて自分の心は
愈々
(
いよいよ
)
爛れるばかり。然し運命は永くこの不幸な男女を
弄
(
もてあ
)
そばず、自分が
革包
(
かばん
)
を隠した日より一月目、十一月二十五日の夜を以って
大切
(
おおぎり
)
と
為
(
し
)
てくれた。
酒中日記
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
鼠
(
ねずみ
)
を
弄
(
もてあ
)
そぶ猫のようなこの時の彼女の態度が、たとい
傍
(
はた
)
から見てどうあろうとも、自分では、閑散な時間に曲折した
波瀾
(
はらん
)
を与えるために必要な優者の特権だと解釈しているらしかった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
弄
常用漢字
中学
部首:⼶
7画
“弄”を含む語句
嘲弄
玩弄
玩弄物
手弄
翻弄
玩弄品
翫弄
飜弄
戯弄
調弄
翫弄物
愚弄
弄花
弄斎節
弄殺
弄戯
弄物
弄品
如法玩弄
御弄
...