トップ
>
平蕪
>
へいぶ
ふりがな文庫
“
平蕪
(
へいぶ
)” の例文
眼の下の大河を隔てた夕暮富士を越えて、
鮮
(
あざや
)
かな
平蕪
(
へいぶ
)
の中に点々と格納庫の輝くのは
各務
(
かがみ
)
ヶ原の飛行場である。
木曾川
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
末々その
後裔
(
こうえい
)
がこんな海端の
平蕪
(
へいぶ
)
の地に、集合しまた放浪しようとも思わなかったことは同じだが、人間の長所は次々の境涯に応じて組織を拡大し生活ぶりを変え
野草雑記・野鳥雑記:01 野草雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
雪が消えてまだ間もあるまいと思われる原は、岩銀杏が隙間もなく密生して、緑青をぶちまけたような
平蕪
(
へいぶ
)
に、珍車、立山竜胆、
四葉塩竈
(
よつばしおがま
)
などが鮮かな色彩を点じている。
黒部川奥の山旅
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
雲
(
くも
)
脚下
(
あしもと
)
に
起
(
おこ
)
るかとみれば、
忽
(
たちまち
)
晴
(
はれ
)
て
日光
(
ひのひかり
)
眼
(
め
)
を
射
(
ゐ
)
る、身は天外に在が如し。
是
(
この
)
絶頂は
周
(
めぐり
)
一里といふ。
莽々
(
まう/\
)
たる
平蕪
(
へいぶ
)
高低
(
たかひく
)
の所を
不見
(
みず
)
、山の名によぶ
苗場
(
なへば
)
といふ所こゝかしこにあり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
さればとて故郷の
平蕪
(
へいぶ
)
の村落に病躯を持帰るのも厭はしかつたと見えて、野州上州の山地や温泉地に一日二日或は三日五日と、それこそ白雲の風に漂ひ、秋葉の空に
飄
(
ひるがへ
)
るが如くに
観画談
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
五郎も
漠
(
ばく
)
たる
平蕪
(
へいぶ
)
や並んでいる模型じみた飛行機が想像出来た。それは古ぼけたフィルムのように、色
褪
(
あ
)
せている。しかし丹尾の風貌を、うまくそこにはめ込むことが出来なかった。
幻化
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
雲
(
くも
)
脚下
(
あしもと
)
に
起
(
おこ
)
るかとみれば、
忽
(
たちまち
)
晴
(
はれ
)
て
日光
(
ひのひかり
)
眼
(
め
)
を
射
(
ゐ
)
る、身は天外に在が如し。
是
(
この
)
絶頂は
周
(
めぐり
)
一里といふ。
莽々
(
まう/\
)
たる
平蕪
(
へいぶ
)
高低
(
たかひく
)
の所を
不見
(
みず
)
、山の名によぶ
苗場
(
なへば
)
といふ所こゝかしこにあり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
しかも異とすべきは単にそれが
邑落
(
ゆうらく
)
を離れた
平蕪
(
へいぶ
)
の地なる点のみで、人の耕す田や畠の字ならば、こんな例はいずれの地方にもあるので、永い歳月の間にできた事とはいいながら
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
さればとて故郷の
平蕪
(
へいぶ
)
の村落に
病躯
(
びょうく
)
を
持帰
(
もちかえ
)
るのも
厭
(
いと
)
わしかったと見えて、
野州
(
やしゅう
)
上州
(
じょうしゅう
)
の山地や温泉地に一日二日あるいは三日五日と、それこそ
白雲
(
はくうん
)
の風に漂い、
秋葉
(
しゅうよう
)
の空に
飄
(
ひるがえ
)
るが如くに
観画談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
鳥が舞い鹿が遊んでいた鬱蒼たる森林は、見る影もない
平蕪
(
へいぶ
)
と化してしまった。
奥秩父の山旅日記
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
窮天
平蕪
(
へいぶ
)
の野に家居する人民の、奇峰怪石を愛するのは自然の情でもあろうが、われわれは谷の民だ。そうしてまた海から入ってきた移住者の末であり、盆地の窮屈に
倦
(
う
)
んでいる者である。
雪国の春
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
平
常用漢字
小3
部首:⼲
5画
蕪
漢検準1級
部首:⾋
15画
“平”で始まる語句
平
平常
平生
平素
平和
平坦
平伏
平地
平日
平家