-
トップ
>
-
帝國
>
-
ていこく
帝國ホテルや
精養軒のマネエヂヤア
諸君は
何かの
機會に
紅毛人たちにも一
椀の「しるこ」をすすめて
見るが
善い。
「ガーフ」に
懷かしき
我が
帝國の
軍艦旗を
飜せるかの
白色の
巡洋艦は、
此邊海底深くして、
錨を
投ずることも
叶はねば、
恰も
小山の
動搖ぐが
如く、
右に
左に
漂蕩して
居る。
『おー。
矢張左樣だつた! あの
巡洋艦のガーフの
旗は、
我が
帝國の
軍艦旗であつた※。』と、
彼は、
今しも、
輕氣球から
墮落の
瞬間に、ちらりと
認めた
同じ
模樣の
海軍旗を
帝國の
軍港へと
到着した
時には
如何に
壯烈に
且つ
愉快なる
事だらう。