屋敷田畝やしきたんぼ)” の例文
そのかははゞもつとひろく、まちもつとちかく、やゝせまところがう屋敷田畝やしきたんぼとなへて、雲雀ひばり巣獵すあさり野草のぐさつみめうなり。
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
さればがう屋敷田畝やしきたんぼ市民しみんのために天工てんこう公園こうゑんなれども、隱然いんぜんおう)が支配しはいするところとなりて、なほもち黴菌かびあるごとく、薔薇しやうびとげあるごとく、渠等かれらきよほしいまゝにするあひだ
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
さればこゝむべくおそるべきを(おう)にたとへて、かりに(おう)といへる一種いつしゆ異樣いやう乞食こつじきありて、がう屋敷田畝やしきたんぼ徘徊はいくわいす。驚破すはおうきたれりとさけときは、幼童えうどう婦女子ふぢよし遁隱にげかくれ、孩兒がいじおそれて夜泣よなきとゞむ。
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)