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小刻
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こきざ
ふりがな文庫
“
小刻
(
こきざ
)” の例文
「じゃ、早くにね……」と、お米が振りかえると、女中のお藤は、もう
小刻
(
こきざ
)
みの足になって、砂利場の側を駈けだしていた。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一寸法師はチョコチョコと
小刻
(
こきざ
)
みに、存外早く歩いた。暗い細道を幾つか曲って、観音様の御堂を横切り、裏道伝いに
吾妻橋
(
あづまばし
)
の方へ出て行くのだ。
一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
短い杖が、鼠を
逐
(
お
)
うように、
小刻
(
こきざ
)
みに
床石
(
ゆかいし
)
の上を走る。そして、一つの、
椅子
(
いす
)
にぶつかる。盲人は腰をおろす。かじかんだ手を
暖炉
(
だんろ
)
のほうに伸ばす。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
彼
(
かれ
)
は
小言
(
こごと
)
は
耳
(
みゝ
)
へも
入
(
い
)
れないで「
※
(
ねえ
)
よう
見
(
み
)
ろよう」と
小笊
(
こざる
)
を
枉
(
ま
)
げてはちよこ/\と
跳
(
は
)
ねるやうにして
小刻
(
こきざ
)
みに
足
(
あし
)
を
動
(
うご
)
かしながらおつぎの
譽
(
ほ
)
める
詞
(
ことば
)
を
促
(
うなが
)
して
止
(
や
)
まない。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
盲人の保護は中古以來のことですが、徳川時代になつてその制度を確立し、上は
檢校總録
(
けんげうそうろく
)
から最下位の
半打掛座頭
(
はんうちかけざとう
)
に至るまで、階級を七十三の
小刻
(
こきざ
)
みに分けました。
銭形平次捕物控:064 九百九十両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
徴用
(
ちょうよう
)
をうけてフィリッピンへ行ったりしているうちに
小刻
(
こきざ
)
みな時間が流れるように過ぎてしまった。
親馬鹿入堂記
(新字新仮名)
/
尾崎士郎
(著)
私は大きく首を振ったが、ドサ貫は何も言わず、首を
小刻
(
こきざ
)
みにうなずかせた。
如何なる星の下に
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
俺は始め身体がどうしても
小刻
(
こきざ
)
みにふるえて、困った。
独房
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
その揺れに——ただの風ではない意志をあらわすために——彼は長く引いたり
小刻
(
こきざ
)
みに引いたりした。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
握つた手は思ひの外温かく少し汗ばんで、
小刻
(
こきざ
)
みに
顫
(
ふる
)
へて居るのを、八五郎は意識したのです。
銭形平次捕物控:294 井戸端の逢引
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
にんじんは、
小刻
(
こきざ
)
みに、裏庭の
小径
(
こみち
)
を
往
(
ゆ
)
きつ戻りつしている。彼は
呻
(
うめ
)
き声を立てる。少し捜しては、時々鼻をすする。母親が
観
(
み
)
ているような気がする時は、動かずにいる。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
「木戸の中の足跡は
小刻
(
こきざ
)
みに付いてゐたと言つたな」
銭形平次捕物控:137 紅い扱帯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
乾いた葉が、そこここで、
小刻
(
こきざ
)
みな
跫音
(
あしおと
)
をたてる。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
少し、
小刻
(
こきざ
)
みに追いついた。
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
小
常用漢字
小1
部首:⼩
3画
刻
常用漢字
小6
部首:⼑
8画
“小”で始まる語句
小
小児
小径
小鳥
小僧
小言
小路
小遣
小刀
小父