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宛
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えん
ふりがな文庫
“
宛
(
えん
)” の例文
こう人材もふえ、ここも
宛
(
えん
)
たる一小国となってきては、対官憲の備えからも、もはやただの浮浪山賊の群れ集まりではいられない。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それもつくづく見たのではないから、
年紀
(
とし
)
のほども
顔立
(
かおだて
)
もよくは分らなかったけれども、ただ彼が風俗は一目見て素人でないことを知った。
宛
(
えん
)
たるこの大都の
芸妓
(
げいしゃ
)
の風俗、梓はぞっとしたのである。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
宛
(
えん
)
として魔だ!
剣侠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
また、白河の代に似て、仏教の繁昌は、いやが上に、山門の
驕
(
おご
)
りを助け、
五畿
(
ごき
)
は、
宛
(
えん
)
として、仏教国の
観
(
かん
)
があった。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
宛
(
えん
)
として、この顔ぶれは、龍ノ口評定所の総員だ。そも、何のために、こんな場所に集会して、自分を待ったのか。
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
大きく観じれば、それそのままが、生々しい社会事件というよりは、
宛
(
えん
)
として、一場の演劇の開幕ではあるまいか。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
本来は、粛然たる趣のある雅楽のはずだが、酒興の乱痴気を沸かせるだけの目的であるから、
呂
(
りょ
)
も
律
(
りつ
)
も
譜
(
ふ
)
もあったものではない。
宛
(
えん
)
として、神楽調である。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
火は
松明
(
たいまつ
)
です、黒い影は人です、やがて彼女と日本左衛門の視力を
距
(
さ
)
ること遠くないところに、その一団がまろくなって
宛
(
えん
)
たる炎のかたまりを作りました。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ラシャ、モール、南蛮笠などの、当時にあっては、極めて
斬新
(
ざんしん
)
な異国調を、その武装に飾っているところは、
宛
(
えん
)
として、小信長の身なりそのままといってよい。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さらにはまた、百里二百里の外にまで、小作百姓の
聚落
(
じゅらく
)
を擁しているので、その勢力と財富とは、
宛
(
えん
)
として、一国の王侯もおよばぬほどのものだというのであった。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
何して喰べ何しに生きているのやら分らない浮浪人の徒が、
仁王
(
におう
)
のいない仁王門の
一廓
(
いっかく
)
を領して、火を
焚
(
た
)
いたり着物を干したり、寝そべったり、物を食ったり、
宛
(
えん
)
として
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
文官軍吏の賓客、みな盛装をこらし、礼館の式場を中心に、
宛
(
えん
)
として秋天の星の如く埋まった。
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
部落とはいえ、
宛
(
えん
)
たる山の小都会です。なおごらんなさい、突きあたりの形のいい山の裾にかかって、雲霧などの目には、一種不思議なともいえる、三角形の建物がたっています。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
宛
(
えん
)
たる
船陣
(
せんじん
)
をしながら、四方の海から
整々
(
せいせい
)
と
入江
(
いりえ
)
へさして集まってくる。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
昨今、洛内には、東国兵の新顔を、おびただしく見かけるが、それはみな六条の配下に増員された
坂東者
(
ばんどうもの
)
であり、一族それぞれ昇官を見、門戸兵営を大にして、
宛
(
えん
)
として今や“都の豪族”である。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
宛
(
えん
)
として、
祭日
(
まつり
)
のようであった。たくさんに酒をのむ事もゆるされた。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
宛
(
えん
)
として、これは世帯持ちの軍隊の大引っ越しといえなくもない。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
宛
(
えん
)
として、ここは一つの犯罪研究室。
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
宛
常用漢字
中学
部首:⼧
8画
“宛”を含む語句
宛然
宛行
宛転
宛名
名宛
宛嵌
宛如
押宛
宛所
宛城
宛字
手宛
大宛
人宛
目宛
引宛
宛転滑脱
宛込
宛転悠揚
幸子宛
...