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こうだい
ふりがな文庫
“
宏大
(
こうだい
)” の例文
彼は自分の
宏大
(
こうだい
)
な、広々と延びている庭園を見ながら、両手を高く
拡
(
ひろ
)
げて、快い
欠伸
(
あくび
)
をした。が、彼が拡げた両手を下した時だった。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
その
宏大
(
こうだい
)
な広間や、屋上や、廊下や、そしてバルコニーまでが、今日は生花とセルロイド紙とをもって、うつくしく飾られていた。
二、〇〇〇年戦争
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「それは、こんなところでなく、あちらに
宏大
(
こうだい
)
な揚屋というものや、お茶屋さんというものがありますから、そこで聞いてごらん」
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
しかし小さい健三はその
宏大
(
こうだい
)
な屋敷がどこの田舎にあるのかまるで知らなかった。それから一度も
其所
(
そこ
)
へ連れて行かれた覚がなかった。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
仲店
(
なかみせ
)
の通りから
宏大
(
こうだい
)
な朱塗りのお堂の
甍
(
いらか
)
を望んだ時の有様ばかりが
明瞭
(
めいりょう
)
に描かれ、その外の点はとんと頭に浮かばなかった。
秘密
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
▼ もっと見る
彼の邸宅は大きな傷病兵療養所のようなもので、さすがの
宏大
(
こうだい
)
さをもってしても、その住人にとっては少しも大きすぎることはないのである。
ジョン・ブル
(新字新仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
それにしてもこれは
宏大
(
こうだい
)
な原野であった。草葉の蔭に背丈を没して、不意に彼らは
眇
(
びょう
)
とした存在に化したのだ。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
が、休息もとらず、彼は
宏大
(
こうだい
)
な
築土
(
ついじ
)
の館門を入ると、そこここを見まわして、何か、感慨無量な
容子
(
ようす
)
だった。
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
元明
(
げんめい
)
天皇平城京に
遷都
(
せんと
)
されてより、興福寺、
元興寺
(
がんごうじ
)
、薬師寺、大安寺等が次々と建立され、聖武天皇の御代にいたって
遂
(
つい
)
に
宏大
(
こうだい
)
無双の東大寺が創建される等
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
この老人は杉村といって銀座西何丁目に
宏大
(
こうだい
)
なビルジングを持っている
羅紗屋
(
ラシャや
)
の主人である。
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
私を壓倒するやうな
宏大
(
こうだい
)
さもなければ、當惑させるやうな威嚴もなかつた。そして私が這入つてゆくと、その老婦人は立ち上つて、急いで親しげに私を迎へようと進み出た。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
詩の世界は
宏大
(
こうだい
)
であって、あらゆる分野を抱摂する。詩はどんな矛盾をも容れ、どんな
相剋
(
そうこく
)
をも包む。生きている人間の胸中から真に
迸
(
ほとばし
)
り出る言葉が詩になり得ない事はない。
自分と詩との関係
(新字新仮名)
/
高村光太郎
(著)
楼上の室内を見るに甚だ
宏大
(
こうだい
)
で十四、五の欧州風の椅子があり、上座には白布で
蔽
(
おお
)
うてある長方形の厚いネパール風の敷物があります。また欧州風の額面を室の四壁に
懸
(
か
)
けてある。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
……繁みの向こうには、窓と丁度むかい合わせに、石の塀が黒々とそそり立っていた。
宏大
(
こうだい
)
な庭園の
樹立
(
こだち
)
が、高い
梢
(
こずえ
)
に月光を浴び、また月かげを透かせながら、石塀ごしに
覗
(
のぞ
)
いていた。
紅い花
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
大地は
宏大
(
こうだい
)
で美しい。すばらしい場所なんか、どっさりありますよ。
桜の園
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
もっと内容が複雑
宏大
(
こうだい
)
となるわけである。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
書き出してみると、宇宙はなるほど
宏大
(
こうだい
)
であって、実はもっと先まで遠征するつもりでいたところ、ようやく月世界の手前までしか行けなかったのは
笑止
(
しょうし
)
である。
宇宙尖兵
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
信一郎は、そう云う風に考え直しながら、青色の
羽蒲団
(
はねぶとん
)
の敷いてある
籐椅子
(
とういす
)
に、腰をおろしていた。窓からは、
宏大
(
こうだい
)
な庭園が、七月の太陽に輝いているのが見えた。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
教えられた通りに来て見ると、これは思ったより
宏大
(
こうだい
)
な構えである。小さな大名、少なくとも三千石以上の暮らし向きに見える。竜之助は入り兼ねていささか
躊躇
(
ちゅうちょ
)
した。
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
手近の山は、層々かさなると、幾らか灰色がかって見えるその降りたての雪にすっぽり包まれている。黒いものは何ひとつ見えなかった。
宏大
(
こうだい
)
な風景であるとも云える。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
塁濠
(
るいごう
)
は
宏大
(
こうだい
)
、天主や
楼閣
(
ろうかく
)
のけっこうさ、さすがに、
秀吉
(
ひでよし
)
を成りあがりものと見くだして、大徳寺では、
筑前守
(
ちくぜんのかみ
)
に足をもませたと、うそにも、いわれるほどなものはある。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
むろん、人跡未踏のこの
宏大
(
こうだい
)
な原野は、そのときの人の考えではどうにも仕末におえなかったのであろう。したがって、開墾しようとするものに与える土地はいくらでもあった。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
あッと目を見はるほどの
宏大
(
こうだい
)
な実験室だった。
超人間X号
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
宏
漢検準1級
部首:⼧
7画
大
常用漢字
小1
部首:⼤
3画
“宏大”で始まる語句
宏大無辺界中