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孟宗藪
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もうそうやぶ
ふりがな文庫
“
孟宗藪
(
もうそうやぶ
)” の例文
で、どうしたものか? ……と
孟宗藪
(
もうそうやぶ
)
の立ち思案に、思わず時を過ごしている所へ、天来の人影は
秀鶴頭巾
(
しゅうかくずきん
)
であったのです。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
かやぶき家根の門を這入ると、右手は梅林、左手が
孟宗藪
(
もうそうやぶ
)
。折から秋のことで庭は紅葉し、落葉が飛石などを
埋
(
うず
)
めている。
幕末維新懐古談:74 初めて家持ちとなったはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
筍
(
たけのこ
)
の出さかりで、
孟宗藪
(
もうそうやぶ
)
を有つ家は、朝々早起きが
楽
(
たのしみ
)
だ。肥料もかゝるが、一反八十円から百円にもなるので、雑木山は
追々
(
おいおい
)
孟宗藪に化けて行く。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
「天気がいいせいだよ。なるほど随分人が出ているね。——おい、あの
孟宗藪
(
もうそうやぶ
)
を回って噴水の方へ行く人を見たまえ」
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
稚
(
わか
)
い
雌松
(
めまつ
)
の林があり、こんもりとした
孟宗藪
(
もうそうやぶ
)
がある。藪の外にはほのぼのとした薄くれないの木の花も咲いている。
木曾川
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
▼ もっと見る
東京市外の地価が
未
(
ま
)
だ斯うほど騰貴しなかった頃、この辺一帯の持主が畑と
孟宗藪
(
もうそうやぶ
)
を百坪
乃至
(
ないし
)
二百坪に区切って貸地にした。これは昨今市内の華族さまがやっている社会奉仕土地開放である。
閣下
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
麦畑を潰して
孟宗藪
(
もうそうやぶ
)
にしたり、
養蚕
(
ようさん
)
の割が好いと云って桑畑が
殖
(
ふ
)
えたり、大麦小麦より直接東京向きの甘藍白菜や園芸物に力を入れる様になったり
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
それを
爪先
(
つまさき
)
上がりにだらだらと上がると、まばらな
孟宗藪
(
もうそうやぶ
)
がある。その藪の手前と先に一軒ずつ人が住んでいる。野々宮の家はその手前の分であった。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
水車
(
すいしゃ
)
は、
夜
(
よ
)
もすがらふだんの
諧音
(
かいおん
)
をたてて、いつか、
孟宗藪
(
もうそうやぶ
)
の葉もれに、さえた
紺色
(
こんいろ
)
の
夜
(
よ
)
があけていた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
どうしようと迷っていると女はすっくら立ち上がった。後ろは隣りの寺の
孟宗藪
(
もうそうやぶ
)
で寒いほど緑りの色が茂っている。その
滴
(
した
)
たるばかり深い竹の前にすっくりと立った。
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それは根岸の
孟宗藪
(
もうそうやぶ
)
から声をかけて、頻りとかれを呼んだ男でしたが、あたりの人通りを
憚
(
はば
)
かるのか、ここではただ先の姿を見失わないようにだけして、万太郎の行くがままに任せている。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
真鍮
(
しんちゅう
)
の掛札に何々殿と書いた
並等
(
なみとう
)
の
竈
(
かま
)
を、薄気味悪く左右に見て裏へ抜けると、広い
空地
(
あきち
)
の
隅
(
すみ
)
に
松薪
(
まつまき
)
が山のように積んであった。
周囲
(
まわり
)
には
綺麗
(
きれい
)
な
孟宗藪
(
もうそうやぶ
)
が
蒼々
(
あおあお
)
と茂っていた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と曲ってゆく
孟宗藪
(
もうそうやぶ
)
の抜け道を追って
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お延は何の気なしに叔父の
指
(
さ
)
している
見当
(
けんとう
)
を見た。
隣家
(
となり
)
と
地続
(
じつづ
)
きになっている
塀際
(
へいぎわ
)
の土をわざと高く盛り上げて、そこへ小さな
孟宗藪
(
もうそうやぶ
)
をこんもり
繁
(
しげ
)
らした根の
辺
(
あたり
)
が、叔父のいう通り
疎
(
まば
)
らに
隙
(
す
)
いていた。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
孟
漢検準1級
部首:⼦
8画
宗
常用漢字
小6
部首:⼧
8画
藪
漢検準1級
部首:⾋
18画
“孟宗”で始まる語句
孟宗竹
孟宗
孟宗籔