天照大神あまてらすおおみかみがそうである。崇神すじん天皇がそうである。邪馬台やまたい卑弥呼ひみこもそうである。かくて国家の統一は「祭事の総攬そうらん」において遂げられた。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
そのすすけた天照大神あまてらすおおみかみと書いた掛物かけものとこの前には小さなランプがついて二まい木綿もめん座布団ざぶとんがさびしくいてあった。
泉ある家 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
天鈿女命あめのうずめのみことが、岩戸の前で、踊っている。鶏が大きく口をひらいて、鳴いている。手力男命たぢからおのみことが、岩に手をかけて開いたところに、天照大神あまてらすおおみかみの美しい顔が見える。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
これをかんがえると本統の祖先崇拝は、母系統を重んずる民にして始めて誇り行い得るはずだ。天照大神あまてらすおおみかみを女神としたは理に合わぬなどの論がかえって理に合わぬと惟う。
神武天皇が橿原宮かしはらのみやに御即位になりまして後に、天津神の代表者として仰ぎ奉るべき天照大神あまてらすおおみかみと、国津神の代表者として仰ぎ奉るべき倭大国魂神やまとのおおくにみたまのかみとを宮中にお祭りになり
大昔天照大神あまてらすおおみかみが、多賀たが神社の地に御降りなされた時に、杉の箸をもって昼飯を召し上り、それをお棄てなされたのが栄えたと伝えて、境の山に大木になって今でもあります。
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
それ大君は、上古伊弉冊尊いざなみのみこと、天日を請受こいうけ、天照大神あまてらすおおみかみを生み給い、この国の君とし給いしより、天地海山よくおさまりて、民の衣食住不足なく、人の人たる道も明らかになれり。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
天のワカ彦が天照大神あまてらすおおみかみの返し矢で胸を射ぬかれて死んだのは藍見川の左側ですが、両面スクナのヒダ伝説によると、彼がミノへ出陣して矢で負傷して敗退した地点はブギ郡の下保で
の国に赴きたまわんとして素盞嗚尊すさのおのみこと、まず天照大神あまてらすおおみかみに、お別れ告げんと高天原たかまがはらに参る。
弓道中祖伝 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「神代巻」や『古事記』に、天照大神あまてらすおおみかみ岩戸籠いわとごもりの時、八百万やおよろずの神、常世とこよ長鳴鳥ながなきどりあつめ互いに長鳴せしめたと見ゆ。本居宣長曰く、常世の長鳴鳥とは鶏をいう。常世は常夜とこよで常世とは別なり。
璽光じこう様が天照大神あまてらすおおみかみの生れ変りの如くに。
天照大神あまてらすおおみかみおん子孫、神武天皇より九十五代のみかど、後醍醐天皇第一の皇子みこ、一ぽん兵部ひょうぶ卿親王護良もりなが、逆臣のため亡ぼされ、怨みを泉下せんかに報ぜんために、只今自害するありさま見置きて
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
璽光様じこうさま天照大神あまてらすおおみかみの生れ変りの如くに。