でっ)” の例文
皆んなあっしの首っ玉にブラ下ったんだからてえしたもので、あんな役得があるんだからでっかい雷鳴も満更まんざら悪くありませんね
お前さん知らないの? ウールトオの家の犬ね、あのでっかい赤犬あかよ。彼犬あれが狂犬になったんだとさ。
生さぬ児 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
この錠前だと言うのを一見に及ぶと、片隅に立掛けた奴だが、大蝦蟆おおがまの干物とも、河馬かば木乃伊みいらともたとえようのねえ、しなびて突張つっぱって、兀斑はげまだらの、大古物のでっかい革鞄かばんで。
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
わしは田舎者で、始めて江戸へ出て来たもんだが、宜く物を考えて見なせい、盗賊どろぼうに荷物を取られるくらいは災難とはいいながら些細ささいの事だ、此のマアでっけえ江戸の火事を見なせえ
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「饂飩もなかなか上金あがりでっけえもんと見えますのう。」
懐から取出したでっかい財布、寛永通宝が五六百も入っているのを受取ると、平次はすっかり有頂天になりました。
実はお話をしない事はわかりましねえが、少しマア用向が有って、今度初めて江戸へめえり、馬喰町へ逗留して居りやすと、御案内の通りでっけい火事、わしも始めて火事に逢いやした事ゆえ
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
でっかいさかなア石地蔵様に化けてはいねえか。」
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
旦那さんおっかねえじゃねえか、一昨日おとゝいでっけえ火事があって、又今日こんな火事が始まるとは怖ねえこんだ、江戸は火早いと云いやんすが、こんなに大けえ火事がこう続いてあるとは魂消たまげやした
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
もとより斬られる覚悟だから、しかわしだって斬られめえと思えば、あんた方親子二人がゝりで斬ると云っても、指でも附けさせるもんじゃアねえ、でっけい膂力ちからが有るが、御当家こちらへ米搗奉公をしていて
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)