大病たいびやう)” の例文
おや大病たいびやうだか、ともだちが急病きふびやうだか、れたもんですか。……きみたちのやうにつちや、なにか、あやしいところへでも出掛でかけるやうだね。」
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
やくして各々妻にも其趣そのおもむきを云聞いひきかせ是より兩家べつしてむつましく交際つきあひけり然るに兩人の子供こども丈夫ぢやうぶ成長せいちやうなすうちはや吉三郎十三歳と成し時ちゝの茂兵衞大病たいびやうわづら種々しゆ/″\療養れうやう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
大病たいびやうでも自分で死ぬと覚悟かくごをし、医者いしや見放みはなした事も知つてり、御看病ごかんびやうは十分にとゞき、自分もう死ぬとあきらめがいてしまつても、とろ/\と病気びやうきづかれで寝附ねついた時に
明治の地獄 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
長吉ちやうきちは二三日まへから起きてゐたので、あたゝかい日をぶら/\散歩に出掛でかけた。すつかり全快ぜんくわいした今になつて見れば、二十日はつか以上も苦しんだ大病たいびやう長吉ちやうきちはもつけの幸ひであつたと喜んでゐる。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
扨又馬喰町二丁目なる武藏屋長兵衞は兄清兵衞が大病たいびやうとの手紙故子分の長八を供につれ道中だうちう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
して跡先に聞し故分らぬはず夫なら此方の旦那清兵衞と云は私しの兄なるが此節このせつ大病たいびやう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)