うづだか)” の例文
その時私の作品集は、うづだかい埃に埋もれて、神田あたりの古本屋の棚の隅に、空しく読者を待つてゐる事であらう。
後世 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
人の足立あしたてがたき処あれば一でうみちひらき、春にいたり雪うづだかき所は壇層だん/\を作りて通路つうろ便べんとす。かたち匣階はこばしごのごとし。ところものはこれを登下のぼりくだりするにあしなれ一歩ひとあしもあやまつ事なし。
碧水金砂へきすゐきんさひるおもむきとはちがつて、靈山りやうぜんさき突端とつぱな小坪こつぼはまでおしまはした遠淺とほあさは、暗黒あんこくいろび、伊豆いづ七島しちたうゆるといふ蒼海原あをうなばらは、さゝにごりにごつて、はてなくおつかぶさつたやうにうづだか水面すゐめん
星あかり (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
その時私の作品集は、うづだかほこりうづもれて、神田かんだあたりの古本屋のたなの隅に、むなしく読者を待つてゐる事であらう。
澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)