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執念
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しふねん
ふりがな文庫
“
執念
(
しふねん
)” の例文
先刻平次から聽かされた、お狩場の四郎の
執念
(
しふねん
)
が大きくクローズアツプされて、のしかかつて來るやうな氣がするせゐでせう。
銭形平次捕物控:103 巨盗還る
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
心得
(
こゝろえ
)
て
置
(
お
)
く
事
(
こと
)
で……はさんでは
棄
(
す
)
てる
蛇
(
へび
)
の、おなじ
場所
(
ばしよ
)
に、おなじかま
首
(
くび
)
をもたげるのも、
敢
(
あへ
)
て、
咒詛
(
じゆそ
)
、
怨靈
(
をんりやう
)
、
執念
(
しふねん
)
のためばかりではない
事
(
こと
)
を。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
我儘なヂョウジアァナは、毒々しい
執念
(
しふねん
)
さや、
口喧
(
くちやかま
)
しい尊大な態度にも拘らず、みんなの愛に甘えてゐる。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
雪
(
ゆき
)
の
下
(
した
)
、堅い心も突きとほす
執念
(
しふねん
)
深い愛、石に立つ矢、どんなに暗い
鐵柵
(
てつさく
)
の
網
(
あみ
)
の
中
(
なか
)
へも
入
(
はひ
)
る
微笑
(
ほゝゑみ
)
。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
「これから、また、あのお鈴がやつて來て、今の事情を
執念
(
しふねん
)
深く聽きただすのであらう」
泡鳴五部作:03 放浪
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
▼ もっと見る
彼の家の庭に
這入
(
はい
)
つた時には、あの松と桜とにああまで
執念
(
しふねん
)
深く絡みついて居た藤蔓は、あの
百足
(
むかで
)
の足のやうな葉がしをれ返つて、或る部分はもうすつかり青さを失うて居るのであつた。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
捨
(
すて
)
て遁しこそ
遺恨
(
ゐこん
)
なれと自殺して
死
(
し
)
せしとぞ又瀬川は年頃
云交
(
いひかは
)
せし男と
連副
(
つれそひ
)
しに何時となく
神氣
(
しんき
)
狂
(
くる
)
ひ左右の
小鬢
(
こびん
)
に角の如き
癌
(
こぶ
)
出來し故人々彼の
留守居
(
るすゐ
)
の
執念
(
しふねん
)
にてや有んと云しが
何時
(
いつ
)
しか人の見ぬ間に
井戸
(
ゐど
)
へ身を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
老衰者
(
らうすゐしや
)
の悔や
執念
(
しふねん
)
を悲哀の箱で胸をふさがせ
太陽の子
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
執念
(
しふねん
)
の闇曳き
奔
(
はし
)
る。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
かう言つた調子で、あの三河町の伊太松の持つてゐる手紙と全く同じ意味のことを
執念
(
しふねん
)
深くくり返すのでした。
銭形平次捕物控:230 艶妻伝
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「今から七年前——あのお内儀のお貞がまだ萬屋の娘だつた頃、
執念
(
しふねん
)
深くつけ廻した、遊び人の歌松ですよ」
銭形平次捕物控:170 百足屋殺し
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
志賀屋伊左衞門は父親らしい
執念
(
しふねん
)
で嫁になる筈だつたお里の上に、大きな疑ひを冠せてゐるのでした。
銭形平次捕物控:232 青葉の寮
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「今日は意地の惡い
姑
(
しゆうと
)
のやうに口うるさいんだね。餘つ程
執念
(
しふねん
)
深い借金取でも來たんですかえ」
銭形平次捕物控:162 娘と二千両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
この燃え立つ
朽木
(
くちき
)
のやうな、
執念
(
しふねん
)
だけで生きてゐる老人を相手に、ヒタヒタと詰め寄るのです。
銭形平次捕物控:311 鬼女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ハツと思つて
驅
(
か
)
け拔けると、そいつが又
執念
(
しふねん
)
深く追つかけて來るぢやありませんか。
銭形平次捕物控:006 復讐鬼の姿
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「怪しいのは離屋だ。あの建物を番頭とお安が
執念
(
しふねん
)
深く奪ひ合つて居た」
銭形平次捕物控:165 桐の極印
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
盲人の恐ろしい
執念
(
しふねん
)
は、お濱の口を通して、平次の身にも
迫
(
せま
)
ります。
銭形平次捕物控:064 九百九十両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「お越ツ、
執念
(
しふねん
)
が過ぎるぞツ」
銭形平次捕物控:081 受難の通人
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“執念”の意味
《名詞》
執 念(しゅうねん)
深く思い込み、片時も忘れない心。
(出典:Wiktionary)
執
常用漢字
中学
部首:⼟
11画
念
常用漢字
小4
部首:⼼
8画
“執念”で始まる語句
執念深