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嚇怒
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かくど
ふりがな文庫
“
嚇怒
(
かくど
)” の例文
と
嚇怒
(
かくど
)
して播磨を衝き、次いで義政の許しを得ないで
入洛
(
じゅらく
)
した。当時此の駄々ッ児を相手に出来るのは細川勝元だけであった。
応仁の乱
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
悟空には、
嚇怒
(
かくど
)
はあっても苦悩はない。歓喜はあっても
憂愁
(
ゆうしゅう
)
はない。彼が単純にこの生を
肯定
(
こうてい
)
できるのになんの不思議もない。
悟浄歎異:―沙門悟浄の手記―
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
この異様な怒りかたは、病的にすら見えたが、臣賀でも他の召使でも、これを、不自然な
嚇怒
(
かくど
)
とは、誰も見ない様子なのだ。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ことに彼は、不幸なる弱者が無慈悲なる強者のために無道の圧制に苦しむを見る時は、憤然としておのれが
面
(
おもて
)
に
唾
(
つばき
)
せられたるがごとくに
嚇怒
(
かくど
)
する。
貧乏物語
(新字新仮名)
/
河上肇
(著)
鎌倉殿は、船中において
嚇怒
(
かくど
)
した。
愛寵
(
あいちょう
)
せる女優のために群集の無礼を憤ったのかと思うと、——そうではない。
伯爵の釵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
三人は憤激してのぼせあがり
嚇怒
(
かくど
)
のあまり
敦圉
(
とんぎょ
)
してあらゆる手段と方法をもって小判奪取の努力を続けた。
三悪人物語:忍術千一夜 第二話
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
頸
(
くび
)
のあたりを一と突きにやられ、床から拔け出し加減に血潮の中に
縡切
(
ことき
)
れ、境の唐紙を開けた次の長四疊には、薄暗い中に据ゑられた不動明王の木像が、
嚇怒
(
かくど
)
の面相物凄く
銭形平次捕物控:130 仏敵
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
嚇怒
(
かくど
)
してこれを
斥
(
しりぞ
)
けたために、事はさらに大きな波紋を起して、竜造寺長門の言を尤も至極となす者、断じて許すべからず厳罰に処すべしと憤激する者、二派に分れて揉みに揉んだ結果
旗本退屈男:09 第九話 江戸に帰った退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
矜持
(
きんじ
)
そのもののような融川が弟子に鼻柱を挫かれて
嚇怒
(
かくど
)
しない筈がない。
北斎と幽霊
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
戸口のところに陳東海が朱房の附きたる匕首を
振翳
(
ふりかざ
)
して立ちはだかり居るなれば、余りの理不尽に手前も
嚇怒
(
かくど
)
致し、何をすると叫びながら組付行くに、その
煽
(
あお
)
りにて蝋燭の火は吹消え、真の闇となり
平賀源内捕物帳:長崎ものがたり
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
けれど、宗易が、余りに平然とそれをいったので、気をのまれて、その
嚇怒
(
かくど
)
も、ひとみの底に、
憤
(
む
)
ッと見えただけだった。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
翌、
天漢
(
てんかん
)
三年の春になって、
李陵
(
りりょう
)
は戦死したのではない。捕えられて
虜
(
ろ
)
に降ったのだという確報が届いた。武帝ははじめて
嚇怒
(
かくど
)
した。即位後四十余年。
李陵
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
鎌倉殿
(
かまくらどの
)
は、船中に於て
嚇怒
(
かくど
)
した。
愛寵
(
あいちょう
)
せる女優のために群集の無礼を
憤
(
いきどお
)
つたのかと思ふと、——
然
(
そ
)
うではない。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
同時に当然のごとく退屈男が
嚇怒
(
かくど
)
して、大声に
叱咜
(
しった
)
でもするだろうと思いのほかに、その一語をきくや否や、期せずして
凄艶
(
せいえん
)
な面に上ったのは、にんめりとした不気味この上ない微笑です。
旗本退屈男:04 第四話 京へ上った退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
五郎蔵をして
嚇怒
(
かくど
)
させた。
血曼陀羅紙帳武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
と、忠兵衛は、かれの
嚇怒
(
かくど
)
をおそれるどころか、かえって、ジリジリと膝を突きすすめた。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
笑而不答
(
わらってこたえず
)
——としていたことはもちろんであったが、ただいかに彼でも、信長が自分を
誤解
(
ごかい
)
して一たんの
嚇怒
(
かくど
)
に何らの反省も加えず、秀吉に使者を立て、また竹中半兵衛に命じて
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
浄海入道は、それを知ると
嚇怒
(
かくど
)
して福原から京都に入り、以仁王を土佐へ流さんものと、武将に命じて、御所へ向わせたが、何ぞ知らん、命をうけた武将の中に頼政の二男兼綱もいたのである。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼の口から、仔細を聞いて、
嚇怒
(
かくど
)
したのは、袁術であった。
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
たれしも、信長の
嚇怒
(
かくど
)
を、そう推察していた。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
兗州
(
えんしゅう
)
の曹操は、変を聞いて、
嚇怒
(
かくど
)
した。
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鹿之介は、聞くと、なおさら
嚇怒
(
かくど
)
して
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
嚇
常用漢字
中学
部首:⼝
17画
怒
常用漢字
中学
部首:⼼
9画
“嚇”で始まる語句
嚇
嚇々
嚇然
嚇迫