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きすけ
ふりがな文庫
“
喜助
(
きすけ
)” の例文
それは名を
喜助
(
きすけ
)
と言って、三十歳ばかりになる、
住所不定
(
じゅうしょふじょう
)
の男である。もとより
牢屋敷
(
ろうやしき
)
に呼び出されるような親類はないので、舟にもただ
一人
(
ひとり
)
で乗った。
高瀬舟
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
田崎と
抱車夫
(
かかえしゃふ
)
の
喜助
(
きすけ
)
と父との三人。崖を下りて生茂った熊笹の
間
(
あいだ
)
を捜したが、早くも出勤の刻限になった。
狐
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
娼「ちょいと
喜助
(
きすけ
)
どん、あの格子先に立って居るお客さんに会いたいから、そら覗いて居る人だよ」
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
太夫元
(
たゆうもと
)
の
権次郎
(
ごんじろう
)
、竹乗りの
倉松
(
くらまつ
)
、
囃子方
(
はやしかた
)
の
喜助
(
きすけ
)
、それに女が二三人、朝といっても、かなり
陽
(
ひ
)
が高くなっているのに、思い切って自堕落な
風
(
ふう
)
を、ズラリと裏木戸に並べたものです。
銭形平次捕物控:077 八五郎の恋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
大熊
(
おおくま
)
老人にとって、
凡
(
およ
)
そ不思議な存在は、少年
喜助
(
きすけ
)
であった。
仲々死なぬ彼奴
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
貰
(
もらひ
)
持參せし由其酒にて
醉伏
(
ゑひふし
)
相果
(
あひはて
)
候事と存じられ候と聞より
彌々
(
いよ/\
)
不審
(
いぶかしく
)
思ひ次右衞門申樣右寶澤の
顏立
(
かほだち
)
下唇
(
したくちびる
)
に
小
(
ちひさ
)
き
黒痣
(
ほくろ
)
一ツ又左の耳の下に大なる
黒痣
(
ほくろ
)
有しやと聞に如何にも有候と
答
(
こたへ
)
るにぞ然ば天一坊は其寶澤に
相違
(
さうゐ
)
なしと兩士は郡奉行遠藤喜助に
對
(
むか
)
ひ其寶澤の
衣類等
(
いるゐとう
)
御座候はゞ
證據
(
しようこ
)
にも相成るべく存じ候へば申受度と云に
喜助
(
きすけ
)
申樣夫は
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
そして、ついぞ父親の行かれた事のない勝手口の方に、父の太い皺枯れた声がする。田崎が何か頻りに
饒舌
(
しゃべ
)
り立てて居る。毎朝近所から通って来る車夫
喜助
(
きすけ
)
の声もする。
狐
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
長谷川町
(
はせがわちょう
)
の木戸の
側
(
わき
)
に居た番太郎は江戸ッ子でございます、名を
喜助
(
きすけ
)
と云って誠に
酒喰
(
さけくら
)
いですが、妙な男で
夜番
(
よばん
)
をする時には堅い男だから鐘が鳴ると
直
(
すぐ
)
に拍子木を持って出ます
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
一年ぐらい前から来ている
姪
(
めい
)
のお
雪
(
ゆき
)
は十九で、これは品のいい綺麗な娘、番頭の
喜助
(
きすけ
)
は四十五六の手堅い男、手代の
文三郎
(
ぶんざぶろう
)
は店へ来て一年そこそこにしかならないが、男っ振りも評判も無類だ。
銭形平次捕物控:089 百四十四夜
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
喜
常用漢字
小5
部首:⼝
12画
助
常用漢字
小3
部首:⼒
7画
“喜”で始まる語句
喜
喜悦
喜捨
喜劇
喜多
喜多八
喜撰
喜界島
喜連格子
喜作