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喉首
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のどくび
ふりがな文庫
“
喉首
(
のどくび
)” の例文
猛然と、彼の
巨
(
おお
)
きな腕はお通を抱きしめて枯草の中へ
仆
(
たお
)
れた。お通は白い
喉首
(
のどくび
)
を伸ばして、声もあげ得ずに、彼の胸の中でもがいた。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
場所を変へた動機のもう一つは、さる日曜日の午後、なま酔ひの米兵から不意に
喉首
(
のどくび
)
をしめられたりしたからでもある。
老残
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
何かしら、闇の中から、大きな手が出てきて、
喉首
(
のどくび
)
をグッと締めつけられるような気味の悪い圧力を感じたのだった。
夜泣き鉄骨
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
彼等は顔を突き出して、
下顎
(
したあご
)
から
喉首
(
のどくび
)
のところを地面にべつたりと押しつけ、両方から同じ形に顔を並べ合つた。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
おていの細い
喉首
(
のどくび
)
には白い手拭がまき付けてあって、何者にか絞め殺されたことは疑いもなかった。
半七捕物帳:39 少年少女の死
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
その犬の鼻づらはちょうど杢助の
喉首
(
のどくび
)
へんに当っていたそうであるが、いきなり顔と顔をつき合せたので、杢助は驚きと恐怖のあまりたちどころにくる眼を起こした。
似而非物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「おのれッ!」とばかり、うしろから組むが早いか、腕を
輪締
(
わじ
)
めに
喉首
(
のどくび
)
を引っ掛けて、タタタタタと大廊下を五、六間引き戻した。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「しかし、さすがに菱屋庄兵衛だな、
喉首
(
のどくび
)
のまん中だ」
山彦乙女
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
なお一里ほど先には、
井上有景
(
いのうえありかげ
)
が千人をもって、
南庭瀬
(
みなみにわせ
)
の城を
頑強
(
がんきょう
)
にかため、国境の道の
喉首
(
のどくび
)
を、後生大事と守備しております
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、知ると同時に信長は、派遣軍と安土との
聯絡
(
れんらく
)
が
遮断
(
しゃだん
)
される危機にあることを察して、自身の
喉首
(
のどくび
)
へ敵手が懸って来たような
焦
(
あせ
)
りを覚えた。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、
喉首
(
のどくび
)
をさすって、ぼんやりしているのを追い返してから、金吾を誘って、わざと人ごみの観音堂の方へ歩きだします。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
相手がたおれると火の
魔独楽
(
まごま
)
は、生きてるように竹童の手へもどった。そしてブンブンかれの片手に
廻
(
まわ
)
されている、次にはどいつの
喉首
(
のどくび
)
へ飛ぼうかと。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と——うしろから地をはってきた
曲者
(
くせもの
)
、
跳
(
と
)
びかかってその
喉首
(
のどくび
)
をしめあげる。だが、彼女も
屈
(
くっ
)
しはしない。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
方円流
(
ほうえんりゅう
)
二丈の
捕縄
(
とりなわ
)
が、今に、てめえの
喉首
(
のどくび
)
をお見舞い申して、その五体を俵ぐくりに締めあげるぞ。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
桑名は、長島の
喉首
(
のどくび
)
である。信雄もここへ兵を出して、
縄生村
(
なおうむら
)
に本営をおいた秀吉と対陣していた。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いうやいな、助右衛門は、いきなり主殿助の
喉首
(
のどくび
)
を攻めて、でんと、床の上に組み伏せた。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
重蔵は左手でしッかと新九郎の
喉首
(
のどくび
)
を抑さえ、右手に剣の切ッ尖をピタリと向けた。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ねじ
仆
(
たお
)
して重なりあった体が、人目もなく
挑
(
いど
)
みあった。
肺臓
(
はいぞう
)
の弱いお米は、啓之助に胸を押されて、苦しげに目をふさいだが、啓之助は盲になったように、その細い
喉首
(
のどくび
)
を抱きしめた。
鳴門秘帖:03 木曾の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
なお
討
(
う
)
ちそんじたら取ッ
組
(
く
)
んで、きゃつの
喉首
(
のどくび
)
を
締
(
し
)
めあげても、この
馬糧小屋
(
まぐさごや
)
のそとへかれをだしては、きょうまでの
臥薪嘗胆
(
がしんしょうたん
)
は水のあわではないか——と思いこんでいる
鞍馬
(
くらま
)
の竹童。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あっ——と思った時はもう迅い水が
喉首
(
のどくび
)
を切って流れていた。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
喉
常用漢字
中学
部首:⼝
12画
首
常用漢字
小2
部首:⾸
9画
“喉”で始まる語句
喉
喉笛
喉元
喉輪
喉声
喉頭
喉仏
喉音
喉佛
喉頸