“哲人（てつじん）” の例文
トルストイの憂愁は、宗教的な宿命観にもとづいている。そのなかにあって、ツルゲーネフのみが哲人（てつじん）である。……彼は人間を愛する。
「はつ恋」解説 (新字新仮名) ／ 神西清(著)
と、是（これ）は可（よ）く言（い）つた語（ことば）です、智者（ちしや）、哲人（てつじん）、若（も）しくは思想家（しさうか）たるものゝ、他人（たにん）に異（ことな）る所（ところ）の點（てん）は、即（すなは）ち此（こゝ）に在（あ）るのでせう、苦痛（くつう）を輕（かろ）んずると云（い）ふ事（こと）に。
六号室 (旧字旧仮名) ／ アントン・チェーホフ(著)
と、もづくを吸（す）ひ、豆府（とうふ）を挾（はさ）む容子（ようす）が、顏（かほ）の色（いろ）も澄（す）みに澄（す）んで、風采（ふうさい）ます／＼哲人（てつじん）に似（に）た三郎助畫伯（さぶらうすけぐわはく）が
九九九会小記 (旧字旧仮名) ／ 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
机の上の小さな本立てには、仏教・儒教（じゅきょう）・キリスト教の経典類や、哲人（てつじん）の語録といった種類のものが十冊あまりと、日記帳が一冊、ノートが二三冊たててあるきりである。
次郎物語：05 第五部 (新字新仮名) ／ 下村湖人(著)
... 私（わたくし）は無論（むろん）哲人（てつじん）でも、哲學者（てつがくしや）でも無（な）いのですから。』と、更（さら）に激（げき）して。『ですから、那麼事（こんなこと）に就（つ）いては何（な）にも解（わか）らんのです。議論（ぎろん）する力（ちから）が無（な）いのです。』
六号室 (旧字旧仮名) ／ アントン・チェーホフ(著)
と、これはよく言（い）った語（ことば）です、智者（ちしゃ）、哲人（てつじん）、もしくは思想家（しそうか）たるものの、他人（たにん）に異（ことな）る所（ところ）の点（てん）は、即（すなわ）ちここに在（あ）るのでしょう、苦痛（くつう）を軽（かろ）んずると云（い）うことに。
六号室 (新字新仮名) ／ アントン・チェーホフ(著)
... 私（わたくし）は無論（むろん）哲人（てつじん）でも、哲学者（てつがくしゃ）でも無（な）いのですから。』と、更（さら）に激（げき）して。『ですから、こんなことに就（つ）いては何（な）にも解（わか）らんのです。議論（ぎろん）する力（ちから）が無（な）いのです。』
六号室 (新字新仮名) ／ アントン・チェーホフ(著)