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味噌藏
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みそぐら
祖母さんはあの
鍵の
用が
濟むと、
藏の
前の
石段を
降りて、
柿の
木の
間を
通りましたが、そこに
父さんがよく
遊んで
居たのです。
味噌藏の
階上には
住居に
出來た二
階がありました。
この
祖母さんと
言へば、
廣い
玄關の
側の
板の
間で
機を
織りながら
腰掛けて
居る
人と、
味噌藏の
側の
土藏の
前に
立つて
大きな
鍵を
手にして
居る
人とが、
今でもすぐに
父さんの
眼に
浮んで
來ます。