告白こくはく)” の例文
ところが、骸骨係自身も、はじめはたいへんこわくて、もうよそうかと思ったと告白こくはくしたので、みんなは笑った。
骸骨館 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ストリンドベルクも金さへあれば、「痴人ちじん告白こくはく」は出さなかつたのである。又出さなければならなかつた時にも、自国語の本にする気はなかつたのである。
澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「ぼくはいま木のかげへゆきましたら、聞くともなしに次郎さんの告白こくはくを聞きました」
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
お捕物の最中に、娘の口から、その当のおたずね者への恋の告白こくはくを聞こうとは!——壁辰は、悪夢をふるい落とそうとでもするかのように、ブルルと身ぶるいをして、それでも、声は
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
それは恐ろしい告白こくはくでした。お咲殺しの疑ひから免れようともがいた喜三郎は、自分の潔白を示すのに急で、胸の中にわだかまつて居た長い間の鬱屈うつくつを、一ペンに吐き出してしまつたのです。
天狗てんぐ頭目かしらも『自分達じぶんたち人間にんげんになりれなかったたましいでござる……。』と、あっさり告白こくはくしてりました。わたくしはそれをきいたときに、なにやら天狗てんぐさんにたいしてどくかんじられたのでございました。
わたし此後このゝちあるひ光子みつこ離縁りえんするかもはかられぬ。次第しだいつては、光子みつこ父母ちゝはゝに、此事このこと告白こくはくせぬともかぎらぬ。が、告白こくはくしたところで、離縁りえんをしたところで、光子みつこたいする嫉妬しつとほのほは、つひすことが出来できぬ。
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)