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吐気
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はきけ
ふりがな文庫
“
吐気
(
はきけ
)” の例文
旧字:
吐氣
三人は
修繕
(
しゅうぜん
)
中のサン・ドニの門を
潜
(
くぐ
)
って町の光のなかに出た。リゼットの疲れた胃袋に
葡萄酒
(
ワイン
)
がだぶついて意地の悪い
吐気
(
はきけ
)
が胴を逆にしごいた。
売春婦リゼット
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
しょうしょう
吐気
(
はきけ
)
が来かかったころに、ボーボーと鯨船で吹く竹法螺の音が聞え、それがきっかけで、白黒だんだらの鯨幕がさッと取りはらわれる。
顎十郎捕物帳:19 両国の大鯨
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
獄中にゐる清吉の面倒をみながら、富岡は、女一人を殺した清吉の真面目さに打たれ、自分の
贋物的
(
にせものてき
)
な
根性
(
こんじやう
)
が、
吐気
(
はきけ
)
のするほど厭に見えて来るのであつた。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
それは軽く船に酔ったような心持であった。そして鉛のように重いアパシイが全身を蔽うような気がした。美しい花の雲を見ていると
眩暈
(
めまい
)
がして軽い
吐気
(
はきけ
)
をさえ催した。
異郷
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
ところでその時は疲労がだんだん
烈
(
はげ
)
しくなって仕方がなくなって来たです。心臓病を起したのかどうしたのか知らんが息は非常に
急
(
せわ
)
しくなって来まして少し
吐気
(
はきけ
)
が催しました。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
▼ もっと見る
またこの山地に来てまもない人々やヨーロッパ人が悩まされる鼻血、頭痛、
吐気
(
はきけ
)
は怱ち拭いてとったように消失し、心臓や肺も静穏になる。それにもかかわらず、何となく気分が悪い。
地震なまず
(新字新仮名)
/
武者金吉
(著)
初
(
はじ
)
め
彼
(
かれ
)
は
寒気
(
さむけ
)
を
身
(
み
)
に
覚
(
おぼ
)
え、
吐気
(
はきけ
)
を
催
(
もよお
)
して、
異様
(
いよう
)
な
心地悪
(
ここちあ
)
しさが
指先
(
ゆびさき
)
にまで
染渡
(
しみわた
)
ると、
何
(
なに
)
か
胃
(
い
)
から
頭
(
あたま
)
に
突上
(
つきあ
)
げて
来
(
く
)
る、そうして
眼
(
め
)
や
耳
(
みみ
)
に
掩
(
おお
)
い
被
(
かぶ
)
さるような
気
(
き
)
がする。
青
(
あお
)
い
光
(
ひかり
)
が
眼
(
め
)
に
閃付
(
ちらつ
)
く。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
猫は
吐気
(
はきけ
)
がなくなりさえすれば、依然として、おとなしく寝ている。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
吐気
(
はきけ
)
に抵抗しながら二三杯毒々しいほど濃い石灰色のキャフェを茶碗になみ/\と立て続けに飲んだ。吐気はどうやら納って、代りに少し
眩暈
(
めまい
)
がするほどの興奮が手足へ伝わり出した。
巴里祭
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「私このごろ眼がまわるのよ。始終
雑沓
(
ざっとう
)
する人の顔を一々
覗
(
のぞ
)
いて歩くでしょう。しまいには頭がぼーっとしてしまって、家へ帰って寝るとき天井が傾いて見えたりして
吐気
(
はきけ
)
がするときもある」
越年
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
吐
常用漢字
中学
部首:⼝
6画
気
常用漢字
小1
部首:⽓
6画
“吐”で始まる語句
吐
吐息
吐出
吐月峰
吐露
吐胸
吐月峯
吐瀉
吐血
吐雲斎