右樣みぎやう)” の例文
新字:右様
東京驛とうきやうえき一番いちばんてば、無理むりにも右樣みぎやう計略けいりやくおこなはれないこともなささうだが、籠城ろうじやう難儀なんぎおよんだところで、夜討ようち眞似まねても、あさがけの出來できない愚將ぐしやうである。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
入んが爲先妻へ無實の汚名をめいおはおひ出したるむね九郎兵衞よりの訴状面そじやうめんに見ゆるが此儀申わけありやと有に九助は全く以て右樣みぎやうの事は御座なくと委細の事故ことがら
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
定重 右樣みぎやうの儀はかねて父よりうけたまはつて居りまする。そのをりに叔父上がおん身代りに相立たずば、頼朝公の御運も危かつたかとも存じられまする。
佐々木高綱 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
長庵の玄關さき失念しつねん致して歸り候により其後兩三度も取りにつかはし候得ども之無きおもむきにて返してくれざる故其儘に致し置候ひしが其節の傘に相違さうゐ無御座候然るに長庵右樣みぎやうの儀を申立る事何分にも其意を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
麹町平川天神裏門前にて見受たる由其砌そのみぎりの始末しまつつゝまずちく一申立べしと云はれければ忠兵衞はハツとこたへしまゝあはぬばかりにて漸々やう/\に申立けるは願ひ人光より申上たる通り相違さうゐ御座なくとばかりなれば越前守殿おのれ忠兵衞右樣みぎやうの儀を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)