召連めしつ)” の例文
とも二人三人召連めしつ春風はるかぜとほがけのうまり、たふのあたりにいたり、岩窟堂がんくつだう虚空蔵こくうざうにてさけをのむ——とある。古武士こぶしがけの風情ふぜいきようあり。
怪力 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
たつすれば殺生禁斷せつしやうきんだん場所ばしよあみおろせしと見ながら其儘そのまゝ差置難さしおきがたし此度は自身じしんまゐるべしとて與力よりき二人を召連めしつれ阿漕が浦にいたれば其夜も徳太郎君れいの如くあみ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
れからまた或日あるひ外国方がいこくがたの小役人が出て来て、時に福澤さんは家来は何人お召連めしつれになるかとうから
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
初めてうけたまわった、侍が犬の供を召連めしつれて歩くという法はあるまい、犬同様のものなら手前申受もうしうけて帰り、番木鼈まちんでも喰わしてろう、何程なにほど詫びても料簡は成りません
なんにしてもこれは一種の奇病である。もかくも明日みょうにち召連めしつれてまゐれと云ふことになつたので、あくる日の朝、町役人どもが打揃つて梟娘のうちへ迎ひにゆくと、親たちは気の毒さうに断つた。
梟娘の話 (新字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
濃州郡上のさと八幡城やわたじょう三万八千八百石の城主、金森兵部少輔頼錦かなもりひょうぶしょうゆうよりかねの御嫡、同じく出雲守頼門いずものかみよりかど後に頼元よりもとが、ほんの五六人の家臣を召連めしつれて、烏帽子えぼし岳に狩を催した時、思わぬ手違いから家来共と別れ