古着ふるぎ)” の例文
土手の柳の間に古着ふるぎ古足袋ふるたび古股引ふるももひきたぐいを並べる露店から、客待ち顔な易者の店までが砂だらけだ。目もあけていられないようなやつが、また向こうからやって来る。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
持居もちをり候又小網こあみ町三丁目河内屋と申古着ふるぎ屋のうらに九郎兵衞と申藥種やくしゆ屋の若い者にて以前いぜんより出入を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
おかげでぼくは古着ふるぎの山を目のまえにみながら、どうすることもできなかったのだ
さうして其服裝そのふくさうすこしも醫者いしやらしいところく、一つフロツクコートを十ねん着續きつゞけてゐる。まれ猶太人ジウみせあたらしいふくつてても、かれると猶且やはりしわだらけな古着ふるぎのやうにえるので。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
具さに六右衞門より申立ければ大岡殿熟々つく/″\と聞れ再び尋問たづねられんとせし時白洲のはしひかへし彼富澤町の古着ふるぎ渡世甲州屋吉兵衞は先刻せんこくより久八六右衞門兩人の申立をきくたびごとひざ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
そうしてその服装ふくそうすこしも医者いしゃらしいところく、一つフロックコートを十ねん着続きつづけている。まれ猶太人ジウみせあたらしいふくってても、かれるとやはりしわだらけな古着ふるぎのようにえるので。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
ぼくは追いつめられて、心ならずも乱暴らんぼうをはたらいたというわけなんだ。おやじは物もいわずに、その場にたおれたので、手もとにあった古着ふるぎでぐるぐるまきにしばりあげ、さるぐつわをかませた。
する伊勢屋五兵衞とて有徳うとくなる者の養子に千太郎と云ふ若者あり實家じつかは富澤町の古着ふるぎ渡世甲州屋吉兵衞と云ふ者なりしか此千太郎或時仲間なかま參會崩さんくわいくづれよりおほ一座にて晝遊びに此丁字屋へ登樓あがりお富の小夜衣を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)