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ひとり
ふりがな文庫
“
単独
(
ひとり
)” の例文
旧字:
單獨
派という条、実は鴎外が
単独
(
ひとり
)
で八人芸をしていたので、弟の
三木竹二
(
みきたけじ
)
の外には鴎外の片腕の指一本の力となるものすらもなかった。
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
仮令
(
たとひ
)
我輩が瀬川先生を救ひたいと思つて、
単独
(
ひとり
)
で
焦心
(
あせ
)
つて見たところで、町の方で聞いて呉れなければ仕方が無いぢや有ませんか。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「はい、もうお蔭様で
老夫
(
おやじ
)
め助かりまする。こうして眼も見えません
癖
(
くせ
)
に、大胆な、
単独
(
ひとり
)
で船なんぞに乗りまして、
他様
(
はたさま
)
に御迷惑を掛けまする。」
取舵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
『私は、あなたが何を計画していられるか知らないが、しかしいずれにしても、有力な援助が必要です。あなた
単独
(
ひとり
)
では、とても成功はしませんよ』
水晶の栓
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
公然
単独
(
ひとり
)
で墓参に行くと、そこには必ず誰か彼女を待って居るものがあった、所謂誘拐される四日前も二人は
遇
(
あっ
)
た、そして女は降りかかる結婚問題を
噺
(
はな
)
したのだね
誘拐者
(新字新仮名)
/
山下利三郎
(著)
▼ もっと見る
その途端に神尾主膳は、どうしたハズミか二三間後ろへ
摚
(
どう
)
と尻餅を
搗
(
つ
)
いてしまいました。釣瓶の縄が切れたのです。釣瓶は
凄
(
すさま
)
じい音をして
単独
(
ひとり
)
で井戸の底へ落ちて行きました。
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
もうその頃は七十位だったのであろうが、遠くへ
単独
(
ひとり
)
でゆくような様子だった。
旧聞日本橋:08 木魚の顔
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「それでは
単独
(
ひとり
)
で
弾
(
ひ
)
いているのは寂しいものだから、あなたが合わせなさい」
源氏物語:51 宿り木
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
『行かれる。兄さんは
単独
(
ひとり
)
で行くんだ。』
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
丑松は唯
単独
(
ひとり
)
になつた。急に本堂の
内部
(
なか
)
は
閴
(
しん
)
として、
種々
(
さま/″\
)
の意味ありげな装飾が一層無言のなかに沈んだやうに見える。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
強ち硯友社ばかりが戯作者風ではなかったのだが、硯友社は思う存分に傍若無人にこの気分を発揮したので、硯友社が
単独
(
ひとり
)
で戯作者の
毀
(
そしり
)
を
背負
(
せお
)
ってしまった。
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
「
単独
(
ひとり
)
で話をするとは、覚悟を
極
(
き
)
めたね。その志に免じて
一條
(
ひとくさり
)
聞いてやろう。その代り
莨
(
たばこ
)
を一本。……」
取舵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
単独
(
ひとり
)
で海を渡って堺へ行くことがある、犬の身でどうして単独で海を渡るかというに、まず海岸へ出て木を流してみるのじゃ、その木が堺の方へ流れて行くのを見て、犬はよい潮時じゃと心得て
大菩薩峠:17 黒業白業の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
『
単独
(
ひとり
)
では行かれ無いの。』
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
一頃は本所辺に小さな家を借りて、細君の豊世と一緒に仮の
世帯
(
しょたい
)
を持ったが、間もなくそこも畳んで
了
(
しま
)
い、細君は
郷里
(
くに
)
へ帰し、それから
単独
(
ひとり
)
に成って
事業
(
しごと
)
の
手蔓
(
てづる
)
を探した。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「失敬な! うそだと思うなら聞き給うな。僕は
単独
(
ひとり
)
で話をする。」
取舵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
昼食
(
ちうじき
)
の後、丑松は叔父と別れて、
単独
(
ひとり
)
で弁護士の出張所を訪ねた。そこには蓮太郎が細君と一緒に、丑松の来るのを待受けて居たので。
尤
(
もつと
)
も、一同で楽しい
談話
(
はなし
)
をするのは三時間しか無かつた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
やれ大旦那が失敗したから、若旦那には学問は無用だことの、やれ
単独
(
ひとり
)
で都会に置くのは危いことの、種々な故障が薬方の衆から出た。「家なぞはどうでもいい」と思うことは
屡々
(
しばしば
)
有ったのである。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
単独
(
ひとり
)
で雪を
衝
(
つ
)
いて倒れるところまで行つて見る。
突貫
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
“単独”の意味
《名詞》
単 独(たんどく)
自分一人であること。一人で行うこと。
ただ一つだけであるさま。一つだけで成立するさま。
(出典:Wiktionary)
単
常用漢字
小4
部首:⼗
9画
独
常用漢字
小5
部首:⽝
9画
“単独”で始まる語句
単独性
単独行為