千里ちさと)” の例文
音人は、清和帝に仕え、従三位左衛門督さえもんのすけをかね、検非違使の別当まで勤めた人であり、その弟の千里ちさとは、歌人としても、有名であった。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かつこの歌の姿、見ゆる限りは桜なりけりなどいへるも極めてつたな野卑やひなり、前の千里ちさとの歌は理窟こそあしけれ姿ははるかに立ちまさりをり候。
歌よみに与ふる書 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
生きて千里ちさとを隔つるものも、死しては必ず相逢ふ。死は惠深きものにて、我に我が愛するところのものを與ふ。姫。われは遠からず尼寺に歸らんとす。
「お、お、千里ちさと。ええも、お前は。」と姉上ののたまふに、すがりつかまくみかへりたる、わが顔を見たまひしが
竜潭譚 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
千里ちさとのほかまでと思ひやるに添ひても行かれぬものなれば唯うらやましうて、これをかりに鏡となしたらば人のかげもうつるべしやなど果敢はかなき事さへ思ひ出でらる。
月の夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
せんせ、千里ちさとがお世話になりまして。それ聞いたときわたし、うれしいてうれしいて。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
此の日やそら晴れて、六四千里ちさとに雲のたちゐもなく、六五草枕旅ゆく人のむれ々かたりゆくは、けふは誰某たれがしがよき京入みやこいりなる。此のたび商物あきものによき六六徳とるべき六七さがになん、とて過ぐ。
長男千尋ちひろ君は九州帝大法学部ご卒業後、福岡県県庁に奉職中、長女千登世ちとせさんは、神戸青木商会の大番頭……モトイ……営業部長久野信次郎ひさのしんじらう君にして、既に一男一女を挙げられ……次男千里ちさと君は
双面神 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
「立つづく雲を千里ちさとのけぶりにてにぎはふ民のかまど山かな。」
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
山のかぜ花に吹くなりひとはね千里ちさとおほはん大鳥おほとりもがも
礼厳法師歌集 (新字旧仮名) / 与謝野礼厳(著)
千里ちさとほかもほがらにて
若菜集 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
千里ちさとしほがく
全都覚醒賦 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
かつこの歌の姿、「見ゆる限りは桜なりけり」などいえるも極めてつたな野卑やひなり、前の千里ちさとの歌は理屈こそあしけれ姿ははるかに立ちまさり居候。
歌よみに与ふる書 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
千里ちさとのほかまでと思ひやるに、添ひてもゆかれぬ物なればただうらやましうて、これを仮に鏡となしたらば、人のかげも映るべしやなど、果敢はかなき事さへ思ひ出でらる。
あきあはせ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)