はげ)” の例文
しかし万国博覧会も例の日本人の空景気からげいきで金がない処からおじゃんになり、従って鮫ヶ橋も今日なお取払われず、西念寺さいねんじの急な坂下に依然としてはげちょろのブリキ屋根を並べている。
瓦斯ガスの火せはに燃ゆる下に寄りつどふたる配達夫の十四五名、若きあり、中年あり、稍々やゝ老境に近づきたるあり、はげたる飛白かすりに繩の様なる角帯せるもの何がし学校の記章打つたる帽子
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
彼岸かのきしの人と聞くつらさ、何年の苦労一トつは国のためなれど、一トつは色紙しきしのあたった小袖こそで着て、ぬりはげた大小さした見所もなき我を思い込んで女の捨難すてがた外見みえを捨て、そしりかまわずあやうきをいとわず
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
戻って柳橋の袂を往復ゆきかえりして、淡紅色ももいろ洋脂ぺんきが錆にはげた鉄欄の間から、今宵は神田川へ繋り船のかみさんが、桶をふなばたへ載せて米を磨いで居る背中に、四歳よっつばかりの小児こどもが負われながら仰反のけぞって居るのを
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)