はぐ)” の例文
旦那は欝金木綿うこんもめんの風呂敷を、ちょっとはぐって見て、これを着て行くのかい、これよりか、この間の方がお前には似合うよと云った。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
心に目しるしをして家にかへりおやにもかたりてよろこばせ、次のあしたかははぐべき用意をなしてかしこにいたりしにきもは常にばいして大なりしゆゑ
おびやか路用ろよううばひて己が酒色のれうにぞつかすてけり初の程は何者の仕業しわざとも知る者なかりしが遂に誰云ふとなく旅人りよじんはぐの惡黨は此頃常樂院の食客大膳と云ふ者の仕業なりとを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
心に目しるしをして家にかへりおやにもかたりてよろこばせ、次のあしたかははぐべき用意をなしてかしこにいたりしにきもは常にばいして大なりしゆゑ
座敷へ来て、書棚の中から赤い表紙の洋書を出して、方々ページはぐって見ていた。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
座敷ざしきて、書棚しよだななかからあか表紙へうし洋書やうしよして、方々はう/″\ページはぐつててゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)