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切干
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きりぼし
白い
切干は
蒸さずに
干したのであつた。
切干は
雨が
降らねば
埃だらけに
成らうが
芥が
交らうが
晝も
夜も
筵は
敷き
放しである。
流もとの大笊の中にはきざんだ
切干が水を切ってあり、
沢庵桶からたくあんを出しかけていたところと見え、
糠の中からたくあんが半分ほど顔を出している。
おつぎは
庭葢の
上に
筵を
敷いて
暖かい
日光に
浴しながら
切干を
切りはじめた。
大根を
横に
幾つかに
切つて、
更にそれを
竪に
割つて
短册形に
刻む。
「
切干でも
切つたもんだかな」おつぎが
庭から
大きな
聲でいつた
時お
品はふと
枕を
擡げた。それでおつぎの
聲は
意味も
解らずに
微かに
耳に
入つた。