元太郎もとたらう)” の例文
あはれ、あに元太郎もとたらうは、何事なにごとふりますで、何時いつもよりかへつておそくまで野良のらかへらないでたとふのに。
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
よめはおつやつて、同國どうこくいちみや百姓ひやくしやう喜兵衞きへゑむすめで、あに元太郎もとたらうこれ女房にようばうたばがみで、かぶつてはるけれども、色白いろじろ眉容きりやううつくしいだけに身體からだよわい。
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ところへ、千種ちぐさはぎ/\の股引もゝひきで、ひよいとかへつてたのはあにじやひと元太郎もとたらうで。これをると是非ぜひはず、だまつてフイと消失きえうせるがごとしまつた。
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)