優婆塞うばそく)” の例文
えん優婆塞うばそくの流れを汲む豊前ぶぜん僧都そうずと自分から名乗って、あの辺では、信者も多く、えろう権式ぶっている修験者しゅげんじゃだそうでござります
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
絢爛けんらんな色彩の古画の諸仏、羅漢らかん比丘びく比丘尼びくに優婆塞うばそく優婆夷うばい、象、獅子しし麒麟きりんなどが四壁の紙幅の内から、ゆたかな光の中に泳ぎ出す。
秘密 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
すなわちえん優婆塞うばそくの像で、顔も姿も解らなかったが、なお崇厳の輪郭だけは、見る人の心を敬虔けいけんに導き、且つ菩提心ぼだいしんを起こさせるに足りた。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
揚州優婆塞うばそく潘仙童、胡国人安如宝、崑崙国人軍法力、瞻波せんば国人善聴、その他を合わせてすべて二十四人であった。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
いわんや優婆塞うばそくや自度の沙弥の輩が、処を定めず霊場を遍歴して、乞食に生きつつ法を説き、仏の誓願にすがろうとすることは、いつの代にもなければならぬところである。
俗法師考 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
優婆塞うばそくが行なふ道をしるべにて来ん世も深き契りたがふな
源氏物語:04 夕顔 (新字新仮名) / 紫式部(著)
優婆夷うばい優婆塞うばそくうちめぐる
全都覚醒賦 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
いうまでもなく優婆塞うばそくの一人である、同じ姿の山伏が、そこから切ッ立てにそびえている岩の上にも一人突ッ立っていた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
登山の困難は想像にも及ばずわずかに不退転の心を抱いて深山幽谷を跋渉ばっしょうする、えん優婆塞うばそくの亜流ぐらいが時々参詣するぐらいであったが、それが
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
同書に、神護景雲三年に京の或る優婆塞うばそくが、修行して加賀に托鉢していたところが、その処の浮浪の長たるものが、調を責めてこれを凌轢したが為に、現報を得て横死したという話がある。
賤民概説 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
「如来在世の仏会よりもすぐれて清浄ならん結界をば、われらねがふべきにあらず。」仏弟子の位は第一比丘、第二比丘尼、第三優婆塞うばそく、第四優婆夷うばいである。仏弟子第二の位は転輪聖王てんりんじょうおうよりも貴い。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
修験道の優婆塞うばそくたちが天狗てんぐを修める道場ともなるに至って、いまではかくの如く神仏併祭のお山となっておりまする——などということから、また
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ことに食を乞うて遍歴する法師・優婆塞うばそくの輩に至っては、それがはたして真の修行者であるのか、修行者を装うて生きんがために食を乞うのであるのか、その区別が外観上困難であるがために
俗法師考 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
我ハ是えん優婆塞うばそく
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
葛城かつらぎへわけ登り、諸国の大山だいせん経巡へめぐって、えん優婆塞うばそくが流れを汲み、孜々ししとして、修行に身をゆだねてきたが、それでもまだ聖護院の役座にさえ登れず、旅山伏の弁海が
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
女ばかりはおびえがちな寮に、魁偉かいい優婆塞うばそくと美男の浪人が、果し合いの白刃を抜き交わしたので、老女や多くの侍女こしもとは唯あれあれと、一所ひとところに群れ寄って、廊下は時ならぬ花壇かだんとなる。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「それがしは聖護院印可しょうごいんいんか優婆塞うばそくで、京都因幡堂いなばどうに住す金井坊きんせいぼうというものである」
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
正面袖門つきの入口にはけやき尺二の板に墨黒々と「天下無敵大円鏡智流刀杖指南、えん優婆塞うばそく聖護院印可しょうごいんのいんか覚明かくめい」とあり、その傍には、(命惜しき者は試合望むべからず)と書き流されてある。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と河内房が引ッ提げて来た革袋から抜き出したのは、鉄の如く磨き澄ました、栴檀せんだん造りの無反三尺の木太刀、これぞ優婆塞うばそくが常住坐臥に身を離さぬ戒刀になぞらえて、作りなしたる凄い業物わざもの
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「待て。優婆塞うばそくどの」
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)