伴奏ばんそう)” の例文
さらに進んで青年の修養を論ずる段になると、かれの佩剣のさやが、たえ間なく演壇の床板をついて、いさましい言葉の爆発ばくはつ伴奏ばんそうの役割をつとめた。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
ところは太平洋の真唯中まっただなか、海のどよめきを伴奏ばんそうにして、映画幕は潮風にあおられ、ふくれたり、ちぢんだりしています。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
そしてれがすむともなく一婦人ふじんが、R打合うちあわせをしたあとでR通訳つうやく説明せつめいにつれて舞台ぶたいのぼつた。そしてピアノの伴奏ばんそう独唱どくせうをはじめた。
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
もちろん、お祖父じいさんが伴奏ばんそうをつけたし、また歌の調子ちょうし和声ハーモニーを入れておいた。それから……(彼はせきをした)……それから、三拍子曲ミニュエット中間奏部トリオをそえた。
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
そのあいだわたしは親方の伴奏ばんそうでイスパニア舞踏ぶとうをおどった。カピは四十フラン集めるであろうか。
そしてたゞ御器量ごきりやうの方ばかりではなく、おたしなみの方でもさうだつたのですの。あの方は歌をお歌ひになるのですよ。どなたか殿方とのがたのお一人がピアノで伴奏ばんそうをなさいました。
また一としきり、ぶり返した大降り、光る、鳴るの伴奏ばんそうで、暫くはおもても向けられません。
果ては声音せいおん一斉いっせい軒昂けんこう嗚咽おえつして、加之しかも始終しじゅう斗満川とまむがわ伴奏ばんそう
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
「ふしぎだ。ふしぎな会話だ。いったいどこの誰と誰との会話なんだろうか。まさか、あれが放送のドラマの一部だとは思われない。放送なら、あのあとにアナウンスがあるはずだし、あんな場面なら伴奏ばんそうがなくてはならないはず」
霊魂第十号の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
もなくピアノの伴奏ばんそうでマンドリン演奏えんそうがはじまつた。
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)