丸木まるき)” の例文
先日来の雨で、処々に水溜みずたまりが出来て居るが、天幕てんとの人達が熊笹を敷き、丸木まるきわたしなぞして置いて呉れたので、大に助かる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
たにをへだてた前方に、高からぬみねがそびえている。その白鳥しらとりの峰の七ごうあたりに、古い丸木まるき鳥居とりいが見える。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
山間僻地さんかんへきちのここらにしてもちと酷過ひどすぎる鍵裂かぎざきだらけの古布子ふるぬのこの、しかもおぼうさんご成人と云いたいように裾短すそみじか裄短ゆきみじかよごくさったのを素肌すはだに着て、何だか正体の知れぬ丸木まるき
雁坂越 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
いかにも大木たいぼくたふれたのがくさがくれにみきをあらはしてる、ると足駄穿あしだばき差支さしつかへがない、丸木まるきだけれども可恐おそろしくふといので、もつともこれをわたてるとたちまながれおとみゝげきした
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「そうだ、おれの名前は、丸木まるきというんだ。丸木だ。よくおぼえておけ」
火星兵団 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それへよじのぼる気か、燕作が、ペタとせみのように丸木まるきの鳥居へ取ッついたが、待てよ、とすこし考えて——。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
6 悪人あくにん丸木まるき
火星兵団 (新字新仮名) / 海野十三(著)