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一
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びと
ふりがな文庫
“
一
(
びと
)” の例文
はッと
頤
(
おとがい
)
を引く間も無く、カタカタカタと残らず落ちると、直ぐに、そのへりの赤い筒袖の細い雪で、
一
(
ひと
)
ツ
一
(
びと
)
ツ拾って並べる。
露肆
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
『ピナコテエク』の
館
(
やかた
)
出でし時は、雪いま晴れて、
街
(
ちまた
)
の
中道
(
なかみち
)
なる並木の枝は、
一
(
ひと
)
つ
一
(
びと
)
つ薄き氷にてつつまれたるが、今点ぜし街燈に映じたり。
うたかたの記
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
こう云う物音は
一
(
びと
)
つ
一
(
ひと
)
つ、文字通り陳の心臓を打った。陳はその度に身を震わせながら、それでも耳だけは剛情にも、じっと寝室の戸へ押しつけていた。
影
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
王女は部屋々々の戸へ一つ
一
(
びと
)
つ
鍵
(
かぎ
)
をかけて
廻
(
まわ
)
りました。それから一ばんしまいに、入口の門へも
錠前
(
じょうまえ
)
を
下
(
おろ
)
しました。そして、それだけの鍵をみんな持って、ウイリイと一しょにお城を立ちました。
黄金鳥
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
この
辺
(
あたり
)
に蛍は珍らしいものであった、一つ
一
(
びと
)
つ市中へ出て来るのは皆石滝から迷うて来るのだといい習わす。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
ぱちぱちと音のするばかり、大蚊帳の
継穴
(
つぎあな
)
が、何百か、ありッたけの目になりました。——蚊帳の目が目になった、——
否
(
いえ
)
、それが一つ
一
(
びと
)
つ人間の目なんです。
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
取留めのない夢の
想
(
おもい
)
で、拓はこの時少年がお雪に向ってなす処は、一つ
一
(
びと
)
つ皆思うことあって、したかのごとく感じられて、快活かくのごとき者が、恋には恐るべき神秘を守って、今までに
秋毫
(
しゅうごう
)
も
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
凜
(
りん
)
と言ふと、畚を取つて身構へた。向へる壁の
煤
(
すす
)
も
破
(
やれ
)
めも、はや、ほの明るく映さるゝそのたゞ中へ、
袂
(
たもと
)
を払つてパツと投げた。
間
(
ま
)
は一面に白く光つた、
古畳
(
ふるだたみ
)
の目は
一
(
ひと
)
つ
一
(
びと
)
つ針を植ゑたやうである。
光籃
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
“一”を含む語句
一寸
一時
一昨日
一杯
唯一
一昨年
万一
一人
一切
一片
一通
同一
一日
一向
一方
一層
一端
一夜
一番
一生
...