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一斑
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いっぱん
ふりがな文庫
“
一斑
(
いっぱん
)” の例文
「やはり御令嬢の御婚儀上の関係で、寒月君の
性行
(
せいこう
)
の
一斑
(
いっぱん
)
を御承知になりたいという訳でしょう」と迷亭が気転を
利
(
き
)
かす。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
予は
唯
(
ただ
)
一箇人
(
いっこじん
)
として四十余年、先生との
交際
(
こうさい
)
及び先生より受けたる
親愛
(
しんあい
)
恩情
(
おんじょう
)
の
一斑
(
いっぱん
)
を
記
(
しる
)
し、いささか
老後
(
ろうご
)
の
思
(
おもい
)
を
慰
(
なぐさ
)
め、またこれを子孫に
示
(
しめ
)
さんとするのみ。
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
ところが前夜私が泊りました同行の人たちは、お前はなぜそんなに礼拝をしてシナ文字を読み立てたかと聞いたからその意味の
一斑
(
いっぱん
)
を説き明してやりました。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
ざっと次のごとく事項を分け列ねた各題目の下に蛇についての諸国の民俗と伝説の
一斑
(
いっぱん
)
を書き集めよう、竜の話に出た事なるべくまた言わぬ故
双
(
ふたつ
)
参
(
あわ
)
せて欲しい。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
『霊枢』の如きも「
不精則不正当人言亦人人異
(
せいならざればすなわちせいとうたらずじんげんまたじんじんことなる
)
」の文中、抽斎が正当を
連文
(
れんぶん
)
となしたのを賞してある。抽斎の説には発明
極
(
きわめ
)
て多く、
此
(
かく
)
の如き類はその
一斑
(
いっぱん
)
に過ぎない。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
〔註〕天保、弘化度、社会生活の
一斑
(
いっぱん
)
は、左に掲ぐる、当時の記録によりてその一斑を察すべし。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
しかし彼自身の筆によらない限りその
一斑
(
いっぱん
)
をも
窺
(
うかが
)
う事はおそらく不可能な事に相違ない。
アインシュタイン
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
その中には縁起もマジナイも混同しているが、マジナイの
一斑
(
いっぱん
)
を知ることができる。
迷信と宗教
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
今日
(
こんにち
)
浮世絵の研究は米国人フェノロサその他新進の鑑賞家出でて細大
漏
(
もら
)
す処なく完了せられたるの
後
(
のち
)
溯
(
さかのぼ
)
つてゴンクウルの所論を
窺
(
うかが
)
へば
往々
(
おうおう
)
全豹
(
ぜんぴょう
)
を見ずして
一斑
(
いっぱん
)
に
拘泥
(
こうでい
)
したるの
譏
(
そしり
)
を免れざるべし。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
一斑
(
いっぱん
)
推して
全豹
(
ぜんぴょう
)
を知るべし。之が新政府下のサモアなのだ。
光と風と夢
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
こう順々に書いてくると、書く事が多過ぎて到底吾輩の
手際
(
てぎわ
)
にはその
一斑
(
いっぱん
)
さえ形容する事が出来ん。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
また以て家庭教育の
一斑
(
いっぱん
)
を知るべし。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
思い出したか急に立ち上って「吾輩は年来美学上の見地からこの鼻について研究した事がございますから、その
一斑
(
いっぱん
)
を
披瀝
(
ひれき
)
して、御両君の清聴を
煩
(
わずら
)
わしたいと思います」
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
斑
常用漢字
中学
部首:⽂
12画
“一”で始まる語句
一
一人
一寸
一言
一時
一昨日
一日
一度
一所
一瞥