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れうぢ
二三
人小さな
療治が
濟んで十二三の
男の
子が
仕事衣の
儘な二十四五の
百姓に
負はれて
醫者の
前に
据ゑられた。
醫者は
縁側の
明るみへ
座蒲團を
敷いて
出た。
光線が
成るべく
餘計取れる
樣に
明るく
拵らへた
部屋の
二側に、
手術用の
椅子を
四臺程据ゑて、
白い
胸掛をかけた
受持の
男が、
一人づゝ
別々に
療治をしてゐた。
玄竹の
藥箱は
可なり
重いものであつた。これは
玉造の
稻荷の
祭禮に
御輿擔いだ
町の
若い
衆がひどい
怪我をした
時玄竹が
療治をしてやつたお
禮に
貰つたものであつた。