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やまがたな
弥ざゑもんはよきものをみつけたりと大に
悦び、
皮も
胆もとらんとおもひしが、日も西に
傾たれば
明日きたらんとて人の見つけざるやうに
山刀にて熊を雪に
埋めかくし
りょうしは
何事が
起こったのかと
思って、
山刀を
持って
飛び
出して、そこらを
見回りました。けれども、
何もそこにはほえ
立てるような
怪しいものの、
影も
形も
見えませんでした。
立處其の
手足を
炙るべく、
炎々たる
炭火を
熾して、やがて、
猛獸を
拒ぐ
用意の、
山刀と
斧を
揮つて、あはや、
其胸を
開かむとなしたる
處へ、
神の
御手の
翼を
擴げて、
其膝、
其手、
其肩、
其脛