-
トップ
>
-
やすみや
三
角さんは、
休屋の
浜ぞひに、
恵比寿島、
弁天島、
兜島を、
自籠の
岩——(
御占場の
真うしろに
当たる)——
掛て、ひとりで
舟を
漕ぎ
出した。
場所は、
立出でた
休屋の
宿を、さながら
谷の
小屋にした、
中山半島——
此の
半島は、
恰も
龍の、
頭を
大空に
反らした
形で、
居る
処は
其の
腮である。
次手だから、
次の
泊の
休屋の
膳立てを
紹介した。
鱒の
塩やき、
小蝦のフライ、
玉子焼、
鱒と
芙萸の
葛かけの
椀。
私は
休屋の
宿の
縁に——
床は
高く、
座敷は
廣し、
襖は
新しい——
肘枕して
視めて
居た。