“ひば”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
檜葉54.0%
比婆12.0%
干葉10.0%
乾葉6.0%
杜松6.0%
干菜4.0%
乾菜2.0%
扁柏2.0%
肥馬2.0%
飛馬2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それに衣川の袖に檜葉ひばの枯葉が附着いていましたし、それからお宅の隣りの、屋根に接近した裏庭の檜葉の枝が折れていました。
秘められたる挿話 (新字新仮名) / 松本泰(著)
このお隱れになつたイザナミの命は出雲いずもの國と伯耆ほうきの國との境にある比婆ひばの山にお葬り申し上げました。
門番呆れて、「汝等きさまら何が買えるもんか。干葉ひばや豆府のからを売りやしまいし、面桶めんつう提げて残飯屋へくがい、馬鹿め。」
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
上光うはひかるけだし榎の乾葉ひばならむこまごまと溝をふりうづめたる
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
手近の杜松ひばの枝などからむしり取って見ると、すぐに其処へ捨てようと云う気になれない。少くとも暫くの間は手すさびに指へ絡んでみたり掌中へまるめてみたりする。
茸をたずねる (新字新仮名) / 飯田蛇笏(著)
知らざるうちに空費あるをも省略せんと欲して、或は夕食には干菜ひばとして雑炊とし、或は製粉処にて粗末にて安価なるものを求めて団子としてしょくする等は、実に恥ずべきの生活を為したるも
関牧塲創業記事 (新字新仮名) / 関寛(著)
行灯あんどんやら乾菜ひばやら古洋灯ランプやら、さまざまなものをごたくさとつるし、薄暗い土間の竈の前でむじなが化けたようなちんまりした小娘が背中を丸くして割木を吹いている。
生霊 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
この山脈は、全国有数の扁柏ひばの産地である。その古い伝統を誇つてよい津軽の産物は、扁柏である。林檎なんかぢやないんだ。
津軽 (新字旧仮名) / 太宰治(著)
秋もいつか十月を過ぎ、肥馬ひば天にいななくときを、その将軍の宮は、神泉苑の御所のふかくに、若さと智と、また多血から来る鬱々うつうつ忿懣ふんまんとをやりばなくしておいでだった。
ともあれ、先に六波羅が発した飛馬ひばは、すでに事を鎌倉表に報じており、幕府は即刻、工藤くどう右衛門次郎じろう諏訪三郎兵衛すわさぶろうひょうえの両使を、都へ急派した。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)