“とめど”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
止度39.5%
留度18.6%
止所11.6%
絶間11.6%
底止4.7%
止途4.7%
止処2.3%
止處2.3%
留所2.3%
終局2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
銀座は空いた円タクが止度とめどもなく通る。新太郎君は車体の新しいのを物色するため三四台り過ごしてから頷いた。円タクはくしゃみをしても止まる。
脱線息子 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
老女笹尾を筆頭としてお供の女中残らずが、黒姫の裾野の怪旋風に両眼殆ど潰れたも同然、表方の侍とても皆その通りで、典薬が手当も効を見ず、涙が出て留度とめどが無かった。
怪異黒姫おろし (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
そのうちわたしの上の部屋に住んでゐる学生が、あのピツコロと云ふ小さい横笛を吹き始めました。するとわたしは止所とめどなしに吐きました。
(新字旧仮名) / グスターフ・ウィード(著)
おっしゃりながら、その長襦袢を御抱きなすったまま、さんざん思いやって、涙は絶間とめどもなく美しい御顔を流れました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
而も争論そうろんは何時も要領をずにをはつて、何時までも底止とめどなく同じことを繰返くりかへされてゐるのであツた。そしてグヅグヅの間に一ねん二年と經過けいくわして今日こんにちとなツた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
止途とめどなくのゝしります。
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
それを見たときにはっと何かしら胸を突かれるような気がして、張りつめて来た心が一時にゆるみ、そうして止処とめどのない涙が流れ出るのであった。
雑記帳より(Ⅱ) (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
私の眼からは止處とめどもなく涙が流れた。痛い風の刺激に逢ふと、きつと私はこれだ。やがて山間に不似合な大きな建築物たてものの見える處へ出て來た。修善寺だ。大抵の家の二階は戸が閉めてあつた。
伊豆の旅 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
帳場のぼんぼん時計が、前触まえぶれなべに物の焦げ附くような音をさせて、大業おおぎょうに打ち出した。留所とめどもなく打っている。十二時である。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
すると黒川は自分の質問を待構へて居たと云ふ風で、聞いて居ても肩の張るやうな例の調子で終局とめどなく語り出した。
新帰朝者日記 (旧字旧仮名) / 永井荷風(著)