底止とめど)” の例文
男は奥様を抱くようにして、御耳へ口をよせてなだすかしますと、奥様の御声はその同情おもいやり猶々なおなお底止とめどがないようでした。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
而も争論そうろんは何時も要領をずにをはつて、何時までも底止とめどなく同じことを繰返くりかへされてゐるのであツた。そしてグヅグヅの間に一ねん二年と經過けいくわして今日こんにちとなツた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)