“それ／＼”のいろいろな漢字の書き方と例文

語句	割合
夫々	71.4%
各々	14.3%
夫〻	14.3%

夫々

今日（けふ）に限（かぎ）つて其（その）やうな事（こと）いはれる覺（おぼ）えは何（なに）もなけれどマア何（なん）と思（おも）ふてぞといふ顏（かほ）じつと打（うち）仰（あふ）ぎて夫々（それ／＼）それが矢（や）^ツ張（ぱ）りお隔（へだ）て何故（なぜ）その樣（やう）にお藏（か）くし遊（あそ）ばす兄弟（きやうだい）と仰（おつ）しやつたはお僞（いつは）りか

五月雨 (旧字旧仮名) ／ 樋口一葉(著)

各々

二人は期日を約して各々（それ／＼）の街に帰りました。さうして味方の兵を集めました。が何と云つても七郎の方は未だ年がゆかないので、思ふやうになりません。

〔編輯余話〕 (新字旧仮名) ／ 牧野信一(著)

夫〻

まして他人（たにん）の誰（た）れにか慨（かこ）つべき、月（つき）の十日に母（はゝ）さまが御墓（おんはか）まゐりを谷中（やなか）の寺（てら）に樂（たの）しみて、しきみ線香（せんかう）夫〻（それ／＼）の供（そな）へ物（もの）もまだ終（おは）らぬに、母（はゝ）さま母（はゝ）さま私（わたし）を引取（ひきと）つて下（くだ）されと石塔（せきたう）に抱（いだ）きつきて遠慮（ゑんりよ）なき熱涙（ねつるい）

ゆく雲 (旧字旧仮名) ／ 樋口一葉(著)