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そのをんな
我れ
人ともに
分らぬ
處何ゆゑか
探りたく、
何ともして
其女一目見たし、
否見たしでは
無く
見てくれん、
世は
冠せ
物の
滅金をも、
秘佛と
唱へて
御戸帳の
奧ぶかに
信を
増さするならひ
其女は
才も
働き、
勉強も
出来、
優れて
悧巧な
質であつたが、
或時脊負揚のなかゝら
脱落ちた
男の
文で、
其保護者の
親類の
細君に
感づかれ、一
時学校も
停められて、
家に
禁足されてゐたが
B
僕は
自分が
隨分よく
葉書を
書くから、
人が
葉書を
書くのにも
注意してる。
其女はね……